「ミリオンダラー・ベイビー」 | 私でもいいですか?

「ミリオンダラー・ベイビー」

DVDにて、「ミリオンダラー・ベイビー」を観ました。私はこの作品をボクシングに賭ける女のサクセスストーリーだとばかり思っていました。けどれ、ボクサーのパンチを食らったくらい、大きく違っていました。予備知識なしで観ればきっと私以上の衝撃を受けるでしょう。

(ネタバレあり)
物語は三十を過ぎたマギー(ヒラリー・スワンク)がボクシング・ジムを営むトレーナー、フランキー(クリント・イーストウッド)のもとを訪れ、コーチを頼みますが、断られます。ウェイトレスをして生計を営む彼女の家庭環境は複雑です。そんな境遇からはい上がろうと、ボクシングに賭けます。フランキーに断られても、何度もジムへ行き、練習をします。そんな彼女を片目の元ボクサーのエディ(モーガン・フリーマン)が見いだし、世話をし始めます。頑なに女性を教えることを拒否してきたフランキーも彼に影響されやがて彼女を教えます。
才能を開花させた彼女はやがて、ボクシングの世界で知られるようになります。ついに世界タイトルマッチと言う大舞台がやって来ます。相手は名うてのラフファイターで、汚いことをやりまくります。そんな彼女と互角以上の試合を進めていたマギーはとんでもない事故に遭います。ラウンド終了後に放ったパンチがマギーに当たり、彼女は不幸にもいつも自分か座っているイスで、頚椎を損傷すると言う大事故になります。
私はここで意外な展開を見せるこの作品にびっくり。タイトルどおり、彼女は百万ドルを稼ぐボクサーになると思っていたのですが、彼女がおかれた状況は過酷なものでした。自立呼吸は出来ない、全身麻痺、死の宣告以上に辛いものでした。
フランキーは毎日のように、彼女の元へ通います。まるで自分がそうさせてしまったかのように。
もはや、死んでいると同じ、それ以上の苦しみを味わうマギーはフランキーに安楽氏を頼みます。やがて、フランキーは・・・・

アメリカンドリームを描くのかと思ったら、いつしか尊厳死の話しになっていた。そんな感じです。けれど、それがとても良く描けています。

フランキーが口癖のように言っていた言葉が浮かびます。
「大切なのは、自分を守ること。」
果たして彼女は、自分を守り切れなかったのでしょうか・・・・・

マギーを演じた「ヒラリー・スワンク」にアカデミー主演女優賞が贈られたのは当然のことだと思う。彼女はマギーに成りきっていた。


  • 監督 クリント・イーストウッド

  • 脚本:ポール・ハギス

  • 原作:F・X・トゥール「テン・カウント」

  • <主な出演者>

  • クリント・イーストウッド

  • ヒラリー・スワンク

  • モーガン・フリーマン

  • <主な受章>

  • アカデミー賞作品賞

  • アカデミー賞監督賞「クリント・イーストウッド」

  • アカデミー賞主演女優賞「ヒラリー・スワンク」

  • アカデミー賞助演男優賞「モーガン・フリーマン」



ポニーキャニオン
ミリオンダラー・ベイビー 3-Disc アワード・エディション

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ミリオンダラー・ベイビー

F・X・トゥール, 東 理夫
テン・カウント

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