弟は、岡崎さんに連絡を取り高校が終わると


どこかに出かける様になった


塾に行かなくなりやめてしまった


「姉さん オレ歌いたい」


「大学は?今やるべき事はちがうんじゃないの?」


「オレ進学はしない」


言い合いになったり、話をしない数日間が続いた


でも、カラオケが終わる時間になると迎えに来てくれ


夜道を無言で歩いて帰宅する日々


でも、ある夜コンビニの前で


「ソフトクリーム食べるか!」


弟にソフトクリームを渡され、食べながら歩いた


「姉さんオレ歌が好きなんだ」


立ち止まってお互いに向かい合い街灯の下


弟が無言で、あたしの唇についたソフトクリームを


親指でスッと撫でるようにぬぐった


見上げるほど大きくなった弟の顔が街灯に照らされた


「わかったよ!応援するから」


鮎川の両親には申し訳ないが、弟が選んだ道だから


きっと許してくれるだろう


翌日A STAR LIIGHTの事務所に行き


あたしは保護者として正式に事務所と契約をした


弟は練習生になった