大人の絵本。
先日、図書館でステキな絵本を見つけました。
Magasin Zin Zin aux Merveilles d'Alys
アリスの不思議なお店。
不思議の国のアリスの絵本だと思ったのですが
借りて帰って読んでみると、どうもそういうわけではなさそうです。
冒頭を少し。。
アリス
ふしぎなものを売る女の子に
アリスに、
港から港へ、谷から谷へ、町から町へ
こんなうわさでもちきりなんだ、
アリスって世にもふしぎなお店の
女の子なんだって。
道を渡り歩き、汽車を乗りついで、
こんな話もきいてるよ、
もうすぐアリスの誕生日がやってくる。
こんなうわさも聞いてるよ
あの子に贈り物をするのはとってもむずかしい
あの子のお店はふしぎなものでいっぱいだから。
この絵本の主人公は、マッチ売りのフレデリックおじさん。
こうして、不思議な女の子アリスにあげるバースデイプレゼントを考えていきます。
そのプレゼントが摩訶不思議なものばかりなんです!
渡す相手が不思議なものを売る女の子だから、
おじさんもとびっきりの品を揃えたようです。
例えば、砂粒ほどの小さな象。
小さな象の一団が、ときどきおじさんのティー・カップに入ってきて鼻嵐を吹いちゃうそうです。
他にも、ピノキオの壊れた鼻の先っぽとか、長靴を履いたネコの口ひげ2本とか。
はたまた、親指姫のゆりかご、白雪姫のおしろい入れ、口紅、靴下留め、そして眠れる森の美女が使ったという糸巻き棒でできたトゲ。。
小物意外にも、「千一夜 千一ツアーのチケット」なんていうものもあって
ビロードの空飛ぶじゅうたんに乗って、旅行を楽しめる夢のようなお話が出てきます。
そんな魅力的な品々のあと、
一番最後に出てくるのは魔法のカギです。
パリの楽園で夢を売っているお猿さんが持っているカギ。
上のフォトは、その鍵の説明部分。
この続き気になるでしょう?
ページをめくるとそこは真っ白でした。
そして次のページにこうありました。
いっぱいにおおきく僕の腕を、
ふしぎなうえにもふしぎなもの売る
お店のかわいいアリス・・・・・・・・きみに
ひろげてくれる鍵だからさ。
コレは、作者(フレデリック・クレマン)が愛娘のために作った作品。
“腕を広げてくれる”という部分に愛情がたっぷりこめられてますね。
フレデリックパパがこの本をアリスちゃんに読んであげてる様子を思い浮かべるだけで微笑まずにはいられない、とってもステキない一冊です。