ショコラティエの勲章。
最近読んでいる本。
上田早夕里さんの『ショコラティエの勲章』。
古本屋でこの本を見つけたとき、このステキな外観に胸が高鳴りました。
手にとって見ると、タイトルはもちろん、
帯に書かれた『ようこそ、<ショコラ・ド・ルイへ>。』
という一説にも惹かれました。
なんだか、夢の世界に誘われているような気がしたんですね。
この本は、福桜堂という江戸時代から続く老舗の和菓子屋で
売り子として働く女性の目線を中心に展開されます。
彼女の父は、この老舗和菓子屋の工場長。
彼女がここで働くようになったのも、この父親の口添があったからです。
腰掛気分で福桜堂で働き始めた彼女が
ある事件をきっかけに知り合った、
2軒先のショコラ・ド・ルイという洋菓子店のシェフとの出会いをきっかけに徐々に変わり始めます。
彼の菓子への情熱や、
洋菓子、和菓子に関係なく菓子職人としての姿勢に触れるたび、
彼女もまた、人として、そして菓子屋に携わる者としての自覚を芽生えさせていくのです。
この本は6章に分かれていて、それぞれ話が完結するので、とても読みやすいですが、
次章では、前章の内容が軽く出てくるので
各章がどこか関連性があって、主人公の心の成長を読み取るのにも役立ちます。
毎章、とり立たされる内容がとても考えさせられる事柄なので、
『お菓子』という親しみやすいを題材を使っているからといって、
軽い気持ちで読んでいると、
とんでもなく深い作品であることに気づかされます!
まだ3章を読み終えたところですが、
学ぶべき点が沢山ありすぎて驚いています!
久しぶりに出会った上質の作品です。