My Ever Changing Moods epi.2 | φ ~ぴろりおのブログ~

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イタズラなKiss&惡作劇之吻の二次小説を書いています。楽しんでいただけると、うれしいです♪ 

「お兄ちゃん、お帰り。遅かったね。」

部屋に入ると宿題をしていた裕樹がニコニコ笑って言った。

「ああ。ちょっと寄るところがあったんだ。」

「そうなんだ。お兄ちゃん、お腹空かない?」

「ああ。いま琴子に早く準備してくれって言っといたから。」

「...大丈夫かな。」

不安げな顔を見せる裕樹。

「レンジで温めるだけだから、失敗しようがないだろう。」

「そうだよね。」

裕樹が心底安心したように言うのが可笑しい。俺は裕樹の頭をくしゃくしゃっと撫でた。



「お待たせ。ご飯できたよ。」

しばらくすると琴子が呼びに来た。

「ああ。すぐ行く。」

裕樹と連れ立って階下(した)に下りた。

ダイニングテーブルには、オフクロの作り置きの料理が並べられ、普通に食欲をそそる匂いがしていた。

「お前、余計なことしてないな。」

念のため琴子に確認する。

「だ、大丈夫だよ。本当に温めただけ。」

「ならいい。」



琴子がご飯をよそった茶碗を運んで来た。

「琴子、おまえ、前から見るとエプロンだけ着てるみたい。ヘンなの~」

裕樹がバカにしたように言った。改めて琴子を見る。ショートパンツよりエプロンの方が丈が長いし、タンクトップとエプロンの首周りが丁度同じようなラインで、言われてみれば確かにエプロンだけに見えないこともない。

だが、所謂俺でも知っている須藤さんが喜びそうな代物ではなく、文字通りエプロンだけに見えるというだけだ。

言葉から連想されるものと目の前の琴子のあまりのギャップに、俺は思わず含み笑いを零した。

「何?どうしたの?そんなにヘン?」

琴子がエプロンの肩紐を両手で持ち上げるようにして、エプロンを見る。

「「ヘン。」」

俺と裕樹の声が揃う。

「二人でハモることないでしょう。」

琴子が口を尖らせる。俺と裕樹は顔を見合わせてニヤリと笑った。



リビングで裕樹と一緒にゲームをしていると、風呂が沸いたことを告げるメロディが流れた。

琴子はキッチンでまだ洗い物をしている。どれだけ時間掛かってんだよ。

食器をさげた時に自分で洗うつもりだったが、琴子が洗い物くらいはできると言ったので任せた...ったく。トロいヤツ。

「お兄ちゃん、一緒にお風呂に入りたい。」

「別にいいけど。」

「やったーっ。」

裕樹の歓声を聞いた琴子が皿でも拭いていたのか、布巾を持ったままキッチンから出てきた。

「裕樹くん、何かいいことあったの?」

「お兄ちゃんと一緒にお風呂に入るだけだよ。関係ないだろ。」

「いいなぁ。」

琴子が羨ましそうに呟いた。何言ってんだコイツ?

「お前も入るか。」

からかうように琴子に顔を近付けて言う。琴子がのけぞりながら、布巾をブンブン振って言った。

「ち、違うよっ。そ、そういう意味じゃなくて、兄弟が仲良さそうでいいなぁって思っただけだよ。私一人っ子だし...」

「お、おまえも男だったら仲間に入れてやってもいいけど...」

ほんの少し寂しそうに見えた琴子に裕樹が視線を逸らしたまま言った。

「俺は別に、お前がどうしてもって言うなら、一緒に入ってやってもいいけど...」

「い、言うわけないでしょー。入江くんのえっちっ。」

プンプン怒って言う琴子を笑いながら無視して、俺と裕樹は着替えを取りに2階に上がった。



「何?どうしたの?そんなにヘン?」

いつの間に入って来たのか、エプロン姿の琴子が言う。

「お前、そりゃヘンだろ。」

琴子は白いフリルがついたエプロンの下に何も着ていなかった。

「そんなにヘン?」

琴子がエプロンの肩紐を持ち上げる。エプロンの脇からこぼれるような胸が見える。

「琴子...お前のカラダ...その胸...ヘンだろ?」

「何?どうして?」

琴子がベッドに膝から上がって来た。

「入江くん、ヘン?」

琴子がジリジリと迫って来る。

よせっ。やめろっ。ばかっ。来るな――っ。

ガバッ...俺は飛び起きた。背中にじっとりと汗をかいている。

やっぱり夢か...夢だとはわかっていた。

でも、何で....ヘンなのは俺だ。


~~To be continued~~