Some Day My Prince Will Come vol.18(final) | φ ~ぴろりおのブログ~

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イタズラなKiss&惡作劇之吻の二次小説を書いています。楽しんでいただけると、うれしいです♪ 

「琴子ちゃん、ごめんなさいね。私、つい、カッとしちゃって。」

「い、いえ。」

「まーまー。そー落ち込まないで。」

「あんたならもしや...って、みんな思ってたことだし、覚悟してたわよ。」

「にぎやかな、めったにない卒業式でよかったじゃない。」

「さっ、みなさん。写真とってあげましょ。並んで。琴子ちゃん、笑って。せーの。」

パシャ

「あっ、金ちゃん。」

「また、あなたなのーっ。もーっ。」

「いやいや。なー、琴子にちょっと見せたいもんがあってね。よぉ見てくれや。」

「こ、琴子、おばさん。ち、ちょっと、あれ。」

「いやー。他の女どもに引きちぎられんよーにしとかなあかんよってな。『予約済』って札つけといたんや。」

「い...いーっ、いーわねぇ。卒業式にキスなんて...」

「やっぱりこれよ。卒業式はこれでなくっちゃ!!」

「う、うらやましいっ。なんで私たちは...あーっ、お兄ちゃん、じれったいわねぇ。こんな素敵な日にぃぃ。」

「まぁ、まぁ、おばさん、こればっかりは。」

「うらやましがることないで、琴子。おれがちゃーんと...」

「あっ、あ~~~っ、こ..琴子!入江くんに1年生の女子が告白してるわっ。」

「第二ボタンせがんでるのよ。とんでもない子ね。」

「あっ。泣きながら走ってった...よ、よかったね。ふられたわよっ、琴子。」

「な、なんだか一年前の自分をビデオで見てるみたい...うっ..か、かわいそう。」

「まぁ、そーなの。お兄ちゃんたら。あのお嬢さん、私のボタンでよければねぇ...あら、また来たわよ。」

「あの子は2年生よ。」

「まぁ、もてるのねぇ。お兄ちゃんも。」


「入江さん。あ、あの写真を一緒に...」

「イヤだね。」

「い、一枚でいーんです。」

「しつこいな。」

「わぁぁぁぁぁん」


「その調子よ、お兄ちゃん!!よーし、次は琴子ちゃん行って来なさいな。」

「えっ?」

「ふふふ。ここで今の子達と差をつけなきゃ。第二ボタン下さいって言うのよ。

 それから写真一緒に撮ってって言うのも忘れずにね。ああいーわ、この雰囲気。青春ねぇ。

 キスしちゃってもいーのよ。ドキドキしちゃうわっ♪」

「がんばってーっ!!」「琴子ーっ!!」「ほら早く。ほらほら。」

「う...うそ。うそ。マジで...だって。」

...アイツ、俺のとこ、来るんじゃないのか...何やってんだ...

はっ!!...入江くんと目が合っちゃった...

。。。あっ、入江と相原だ。。。あーまた相原さんだ。。。

「何だよ。」

「えっ、えっ...えっとね。」

「まさか第二ボタンくれとか言わねーだろーな。」

「あっ、当たり...」

「やらねーよ。」

「えっ。じ..じゃ、写真...」

「とらねーよ。」

「うわぁーん。おばさーん。」

。。。あっ、相原さんがまたふられた。。。

「ふんっ。」


...おばさんの圧倒的権力で、私は幸福にも一枚写真を撮ってもらえた...やっぱ、卒業式はこうでなくっちゃね。


「せーの。」

「でたぁ。」

...じんこと理美と3人で、一緒に門の外にジャンプして飛び出した。


毎日毎日当たり前のように通っていたのに、明日からはもうここに通うことはない。なんだかちょっと不思議だ。

高校3年間、ほんとうにいろんなことがあった。じんこや理美、F組のみんなとたくさんの想い出ができた。

でも、入学式で一目惚れしてから、私の高校生活はやっぱり入江くん一色だった。

はじめて入江くんを見たとき、王子さまを見つけたと思った。かっこよくて、頭がよくて、スポーツ万能で...

でも、私の王子さまはそれだけじゃなかった...すっごく意地悪で、氷のように冷たくて...何度も泣かされた。


一緒に住むことになってわかった王子さまの本性...でも、ただひたすら憧れてた時より、もっと好きになった。

私に一生懸命勉強を教えてくれた。そのおかげで50番になれた。1番と50番...同じ紙に載れたあの光景。

痴漢から助けてくれた本当に王子さまみたいだった入江くん。コックさん顔負けのエプロン姿の入江くん。

宿題を手伝ってくれた夏休み最後の二人っきりの夜。ケガをした私をおぶって保健室まで運んでくれた運動会。

意地悪で冷たいはずの入江くんは、ときどきすっごくやさしくて..泣きたいくらいしあわせだった。絶対に忘れない。

数え切れない宝物のような想い出たち...手紙を受け取ってもらえなかったあの日を思えば夢みたいな日々。


そう夢みたい...入江くんと友達になりたい。私のこの2年間の想いを知ってほしい。そう思って書いたラブレター。

入江くんは私のこと、いまだって友達だなんて思ってない...でも、友達より近くにいる気がするのは、勘違いかな。

「耳にタコ」...好きにはなってもらえないけど、私の想いは伝わってると思うのは、間違いなのかなぁ。

私はまだ入江くんと一緒に暮らせるし、また4年間同じ大学に通える...うれしさと同時にズキンと胸が痛むけど、

せっかくまた同じ道を歩けるのだから、一生懸命入江くんの後姿を追いかけたい。その背中に追いつきたい。

そして、いつか、隣りを歩ける日が来たらいいな...肩を並べて歩けるそんな日が来たらほんとうにいいな...


~See You Next Time~