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起承転結鮮明で強弱調節明快... 長所になった「武侠らしい」
武侠誌を連想させる題名、tvN週末ドラマ<無法弁護士>は、実際にもとても「武侠らしかった」。
あたかも武侠漫画を見ている感じというか。
善悪の区分が明確で、感情移入の対象が明らかだった。
起承転結が鮮明だったし、強弱調節が明快だった。
危機があってもなくても重くなくて、かえって軽快なリズムが感じられた。
それは、弱点になり得る部分だが、<無法弁護士>は賢く「武侠らしい」をよく利用している。
大型の話の力が感じられて、視聴者に伝達しようと思う主題意識が明確だ。
主人公である弁護士ポン・サンピル(イ・ジュンギ)のストーリーが、興味深く繰り広げられた。
視聴者たちはポン・サンピルの傷と復讐に共感して、公憤することになった。
また、それ以外の主な助演キャラクターが持っている色も鮮明にあらわれた。
全体的な仕組みが良い。
そこに演技の穴がない俳優の熱演は、没入度を高めた。
これほどになれば、うまくいくほかはない。
<無法弁護士>は、仮想の都市「キソン」を背景にする。
<バットマン>のゴッサム、JTBC <アンタッチャブル>のブクチョンを思い出させる。
ゴッサムやブクチョンが、犯罪の巣窟であり積弊の温床のように、キソンも一歩入ってみれば、醜悪な都市に過ぎない。
そちらに住んでいる人々は、全く感づけずにいるが、キソンは絶対的な権力を持った1人の絶対的統治下にある。
その支配は、非常に隠密で精巧になされている。
チャ・ムンスク判事の素顔を知っている唯一の人物
驚くべきことにその1人は、法曹界をはじめとしてキソン市民の尊敬を一体に受けているチャ・ムンスク判事(イ・ヘヨン)だ。
「キソンのマザーテレサ」という別称は、チャ・ムンスクの欺瞞と二重的人生をよく見せる。
尊敬受けるチャ・ビョンホ響板の娘という点と、大法院長席を数回固辞して故郷であるキソンに残って清廉だということを見せたという点は、彼女の位置をより一層強固にした。
市民は、彼女を一人の判事で尊敬するのでなく、あたかもキソンの王女あるいは、女王でもなるように従う。
ポン・サンピルは、チャ・ムンスク判事の素顔を知っている事実上唯一の人物だ。
彼は、チャ・ムンスクがキソンの各種利権を一人占めしたし、彼女の屈折になった権力欲が数多くの人々を犠牲にさせたという事実を知っている。
もちろんポン・サンピルもやはりチャ・ムンスクの貪欲による被害者だ。
彼は、母チェ・ジンエ(シン・ウンジョン)を目の前で失った。
今はオジュグループ会長になった組織暴力のアン・オジュ(チェ・ミンス)の手の話だ。
アン・オジュの後にチャ・ムンスクがいるということは、二言せば小言だ。
弁護士になったポン・サンピルは、「不正の化身」チャ・ムンスクを懲らしめて、母の復讐するためにキソンに戻る。
その復讐の方式は違わなく「法」だ。
「私の裁判は神聖不可侵」だと呼ぶほど(歪曲された)自負心を持っているチャ・ムンスクに、その何でもない法を通じて復讐するというポン・サンピルの意志は、非常に魅力的だ。
判決は裁判官がいるが、裁判をどんな方向に導いて行くのかを定めるのは弁護士という彼の自信が興味深い。
「連帯」なしでは不可能なチャ・ムンスク判事との対決
彼の「無法」は道理も知らずに礼儀もないという意の「無法」でなく、法で戦うという意の「武法」だ。
また、キソンで法と同義語で君臨しているチャ・ムンスク判事と戦うという意味も内包されているだろう。
もちろん公告したカルテルを形成しているチャ・ムンスク連中と戦うこと、換言すればキソンで定義をたてることはそんなに甘いことでない。
したがってその戦いは「連帯」なしでは不可能なことだ。
つまらない判決を下した判事を殴って業務停止を受ける程、血が沸く弁護士であるハ・ジェイ(ソ・イェジ)は、ポン・サンピルの強固な助力者になる展望だ。
二人は、母がチャ・ムンスクによって犠牲になったという共通点を持っていて、ポン・サンピルはハ・ジェイの母に生命を借りることもした。
問題は、ハ・ジェイがキソンの多くの人々がそのようにチャ・ムンスクを「ママ」と呼んで従っているということだ。
真実に至るまでハ・ジェイが体験することになる混乱が、ドラマの重要なポイントになる展望だ。
そうであるかと思えば、ポン・サンピルと法廷で正面対決を広げている検事カン・ヨンヒ(チャ・ジョンウォン)の変化も予想される。
尊敬したチャ・ムンスクの素顔と彼女の母 ナム・スンジャ(ヨム・ヘラン)が、チャ・ムンスクに賦役しているもう一つの積弊という事実を悟った時、果たしてどんな姿を見せるのか気になる。
検事として法の刃先をまともにねらうことができるだろうか。
そうなるならば、勝算はポン・サンピルに傾くだろう。
チャ・ムンスク、アン・オジュ、ナム・スンジャ 対 ポン・サンピル、ハジェイ、カン・ヨンヒ。
結局この巨大な戦いは、既得権に位置してあらゆる不正を犯している大人たちと彼らのかたい同盟をぶち壊して定義を真っすぐたてようとする若者たちの対決で帰結される。
たとえ非現実的な場面と飛躍が混ざった展開が障るが、それは「武侠らしい」というジャンル的性格で理解することだ。
何よりこのドラマはおもしろいから話だ。
「非現実的な」ポン・サンピルの活躍に代理満足しなければならないのは苦々しいことだがね。