こうやって、父とのファンキーエピソードを思い出して、毎日書いていると、ためいき。笑

父の競馬の予想業が一番羽振りのよかった頃、年に一度の父の会社の社員旅行が、ラスベガスという年がありました。
目的はもちろん、カジノ。
べガスでショーを見るとか そういった不純物は一切含まれない、
もちろんカジノだけ、もちろんカジノ一本の社員旅行です。
サンフランシスコに寄るから、そこで合流して、私たちもラスベガスに来いと誘われ、
長女も次女もまだ小さい頃で、私は三人目の息子を妊娠中でしたが、家族全員で行く事しました。
孫から、おじいちゃんと呼ばれるのがいやだと言って、『東京ダディ』と、自らを呼ばせて
いましたが、「愛人みたいだからやめろ」と、私が言い、かわりに『グランピー』と呼ばせて、それはそれで気に入ったようだし、どうやら孫はかわいいらしい。
べガスに着くと、私たち一家に、1000ドルの現金(約10万円)をポーンとくれて、
「これで、ぱーっと遊べ」と、言いました。
そのお金は嬉しかったけど、でも、ギャンブルに興味のない私たちは、父たちとは、別行動。
2泊3日の短い旅でしたが、買い物したり、ショーを見たり、遊園地やプールで遊んで、べガスを満喫していました。
そして2日目の朝、「ちょっと、俺の部屋に来てくれ」と、部屋に電話があったので
何だろうと思って、父の部屋に行くと、いきなり、「あのなー、ちょっと俺があげた金から、100ドル(約一万円)返してくれないか」というのです。
「ええ?いいけど、、、。どしたの?」と、聞くと、、、。

前の晩、このホテルのカジノで日本円で一千万円負けた、、、と。

い、い、いっせんまんーーー、一晩で、いっせんまーーーーん!!!

「ええええー??」
「ああ、もう、すっからかんだ!」

何、胸はって言ってんだよ!! 何、胸はって言ってんだよ!!
はい、2回言いました。
バカラという、トランプ系のギャンブルですが、一晩で一千万円負け。
私もボブも、えーーとおおおお、、、、。
私たち 日本円で3000万円の家を買って、それ30年ローンで
払うつもりで、、、そ、その三分の一のお金が きのう一晩で動いて、、、
とか、気が遠くなりました。
さすがに、落ち込んでるのかな、、と思いきや、その晩、

「このまま、日本に帰れるかーーー」との名言を残し、またカジノに行ってしまいました。
ほらね、やっぱり、◯チガイなの。
翌日。帰る日になって、ホテルのビュッフェで全員で朝食。
どうしたことかと心配していると、笑顔でビュッフェに現れる父。

「カジノに金貸せって頼んでな。そんな大金は貸せないとか言われたけど、そこをどうにかって
 食い下がって、金借りて、きのうは大勝ち。負けた分の4分の3は取り返したーーーー!!あはははー」

カジノのシステムがよくわかんないし、お金とか借りられるの???
『そこをなんとか』って、そんな英語できたっけ???
とうとう幻覚でも見てんのかなーと思いつつ、食事を済ませ、荷物をまとめ
フロントに降りて、チェックアウトしているとーーー。
ホテルの従業員が5人くらいやってきて、父を『Sir』と呼び、父の肩をぽんぽん叩いたり
ハグしたり。はあ??とか思って見ていると、これほどお金を使ってくれる客はあまりいない、ってことで、
すごい感謝されているーーーー!!
そして、なんとお礼?に、超でっかい高級リムジン、もちろんシャンペンつきが無料で出されたああああ!!
リムジン乗るまで、その従業員たちに見送られ「カムバック べガス スーン」とか言われ、拍手喝采。笑
私たちは空港までそれ乗って、ラップのPVのごとく、屋根から顔出して「イエーイ!」とか言ってみたり。笑
父の元には、その後、毎年、そのホテルから招待状が届くということです、、、、。