私の父は、76歳。
ファンキーなギャンブル人生、結婚も4回。
私が小さな頃から、いろんな会社を立ち上げては失敗し、のくりかえしで
20年前に他界した私の母も、私と私の弟も かなり振り回されてきました。
私が小学生の時、朝鮮人参のスタミナドリンクを開発し、その会社も失敗しました。
私は小学生だったのにもかかわらず、試飲だといって、そのスタミナドリンクを
飲まされていました。
その後も、はぜの天ぷらをのせた丼、『はぜどん』(アニメの『はぜどん』かけてます)の
どんぶりやのフランチャイズ展開もはかりましたが、それも失敗。
結局、なんと、趣味の競馬を生かして 自分の会員を持ち、その会員に自分の予想を教えるという
システムを考え出し、見事に成功しました。


ファンキーエピソードも数知れず、
まあ、面白い人、面白い人生だとは思うのですが
その暴君ぶりに、父と会えば喧嘩です。
父も年を取ったのだから大事にしないと、と思いつつ、
会えばいつも喧嘩になってしまいます。
去年の夏も里帰り中、喧嘩になって、正直もう二度と会いたくないとすら思っていました。



でも、今回のこの地震で、ニュースで悪夢のような映像を見て、
頭がまっしろになり、夢中で父に、弟に電話しました。
まだあまり情報もなかったので、日本のみなさんが節電が必要だとか
まったくわからなかったので、とにかく何回も電話しましたが、
もちろん、つながりませんでした。
弟の携帯にメールして、しばらくしてから弟からメールが来て
弟、義理の妹、甥っ子の無事を確認するも、
「おやじが電話に出ない」とのこと。
父はメールはしてません。
すごく胸がざわざわして、とにかくまた、何回も電話しました。
でも、何度電話しても、なんの音もしないか、アメリカの電話の音になって、
切れてしまうのです。
ためいきをつきながら、何回もかけていると、日本の懐かしい短めの呼び鈴が聞こえ、あっと思ったら、
がちゃ、、


「はい、もしもしーーー」


と、父の懐かしいだみ声が聞こえました。
電話は、そこで切れてしまったのですがーーーー。


生きてるーーーー!!
生きていたーーーーー!!


と、思ったら本当に本当に嬉しかった。
もう二度と会いたくないとすら思っていたのに、
あのだみ声が聞こえたことがこんなに嬉しいなんて、自分でも驚きです。
「もしもしー」を聞いたあと、まだ、話をしていません。笑
でも、生きていてくれたことが嬉しかったです。



極限状態にあると、見えてくる本当に大事なもの。
どんなに暴君であれ、父はひとりしかいないのだ、と思いました。