マルコ・バルツァーノ

関口英子 訳


語りかける“あなた”は 

私 トリーナの娘マリカのこと


それは その父親エーリヒとの馴れ初め

親友バルバラとマヤのこと 実際的な母親と家具職人の父親そして7歳下の弟ペツピ

家族が住む 緑多く牛や羊たちが草を喰む穏やかでのどかなイタリア北部の南チロル地方のクロン村の歴史


1923年ムッソリーニ ファシズムの台頭で言葉はドイツからイタリア語 通りの名称も変えられ トリーナは教師になる望みも砕かれ カタコンベ地下非合法で子どもたちにイタリア語を教える日々


長男ミヒャエルが生まれ四年後に“あなた”が生まれる 家族の全ての愛情を注がれ育ち愛らしく聡明な娘は10歳になり 引っ越して来た義姉アニタとローレンツの心も奪い 村に残るのかドイツ移住かと村が二分される騒乱に紛れ彼らとともに行方知れずとなる・・・

という第一部 歳月


その後の 第二部 逃避行 第三部 水

1911年に この地にダムの建設計画が持ち上がり頓挫の工事の計画が 1939年再び浮上するも戦争の嵐で再び中断 1946年戦争集結とともにまたもや再開 エーリヒをはじめ住民たちの抵抗の日々は続くも遂に村は湖の底に・・・

という事実を縦糸に 

戦争に行き帰還しその後は逃れ山に籠るエーリヒとトリーナをよそにナチに志願のミヒャエル ダム建設の抵抗運動に身を投じるエーリヒ それを言葉で支え文章で訴えるトリーナの家族のその後の物語を横糸に


“オーストリア軍と共に戦い気づけばイタリア領となった”という翻弄される地域の人々の葛藤や諦めがひしひしと伝わる マリカの行方気になりつ〜そっち側の話でもう一冊⁈とかないかな^ ^


またしても暫定一位⁈^ ^今年のベストに残る一冊⭐️はまたしても

本友ハイジさんの評と表紙に惹かれて 

その表紙のレジア湖の教会の鐘楼 

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