ピエール・ルメートル

橘 明美 訳


僕 アントワーヌは12歳 フランスの小さな村ボーヴァルに母親クルタンとふたり暮らす 動物を飼えない彼は隣のデスメット家のぶち犬オデュッセウスを可愛がっていた 


1999年夏の終わり 仲間とみんなで森に秘密基地を作るのに夢中だったが ケヴィンが誕生日にプレイステーションを買ってもらってからは皆彼の家でゲーム遊び がしかしアントワーヌは母親に禁じられ ひとりツリーハウスの小屋作り ついてくるのはオデッセウスと彼のことを慕う隣家の6歳の息子レミだった 


そんなときにオデュッセウスが車に轢かれ重症の犬をデスメット氏は銃で撃ち抜きその死体を廃材用のゴミ袋に!それを見てショックのアントワーヌはこれをきっかけに 心に積み重なっていた孤独や悲しみや失望が憤怒の激流となり 作った小屋を破壊! 

そしてそこに現れたレミに思いをぶつけてしまい 打ち下ろした枝がこめかみに当たりレミは失神⁈したかに思えたが⁈・・・その後レミの死体を隠してその場を立ち去るのだが・・・


幼い少年の失踪事件で警察やメディアもやってきて大混乱の村 事情聴取を受けるアントワーヌ その後も逃亡を計画したり 罪が露見する恐怖や不安に苛まれ続け 孤独と絶望に陥るという心理サスペンスのイヤミス

ボランティアを動員して大捜索にもはやこれまで!と覚悟を決めるアントワーヌだったが 未曾有の台風洪水に村が襲われ それどころじゃなくなったりと 上手いこと逃げおおせた⁈彼だったが・・・


もうこれくらいにしとこ^ ^

12年後 2011年 成長したアントワーヌのその後 そしてそのあと短いオチの2015年で幕 


ずっとアントワーヌの不安感が伝染💦びくびく少年の心になって 他の容疑者が浮上したりとしながら途中何度もその隠したレミの行方が気になり・・・どこに転ぶのか⁈と先が見えなくて 読むのを止められないしラストちょっとした出来事で思わぬ方へというのがそのオチがやっぱりルメートルさん⭐️裏切らない


台風や洪水など最近の気候変動的様子が今どき感臨場感あり 木の玩具の工場経営の人々 その社長が市長でその息子が学校では幅を利かせていたり と人の繋がりが村社会そのもの アントワーヌの母親をはじめまず世間〜村 が念頭にある生活が人の行動となり ちょっとしたほころびが秘密となって というのがミソ⁈かな^ ^

映画にもなったようですが日本は未配信ザンネン


ウリツカヤの遅々とした数週間のあとのミステリはなんていうスピード‼️午後の遅い時間から読み出し晩御飯用意してまた続きを📖もう少しだったので読んでしまおうとしたが寝落ち今朝読了!

ここ2日の現実世界の雑多なあれこれから完全に逃避できた ほんとルメートルさん素晴らし過ぎる❤︎

アントワーヌの運命を変えた出来事が起きた「三日間」というのでそれが原題ということですが邦題の「僕が死んだあの森」というのがまた素晴らしい⭐️翻訳の橘さん の一冊でした