イアン・マキューアン
村松潔 訳
33歳独身 チャーリーは母親の遺産で最新型アンドロイドを購入 その名はアダム 彼は外見はもちろん 肌にはぬくもりがあり心臓の鼓動も おしゃべりをし性交能力もあり さらに超人的な学習能力を持ち あらゆるデータベースからの知識で専門家並みに
そのアダムの最初の設定を かねて気になっていた上階に住む女学生ミランダとともにし その後3人の生活が始まったことでチャーリーとミランダは恋愛に発展するのだが アダムがミランダに恋をしてしまい・・・
という三角関係に ひょんなことから面倒を見ることになった男の子マークも加わり展開
近未来を描くSFかと思いきや 時は1982年フォークランド紛争に揺れるイギリス しかもこの戦争に大敗3000人の死者を出しサッチャー首相は退陣し労働党トニー・ベン政権誕生
そんな政治的な側面や 貧困 失業 住宅問題 老人介護 教育 人種や性差別 気候変動などあらゆる社会問題が提議されながらの
1950年に亡くなった人工知能の父というアラン・チューリングが存命でその開発に携わっている⁈というの架空の1982年
アランが暴いたミランダの秘密には親友だったパキスタン人マリアムとのことが というミステリー要素のもう一つの物語や
ミランダの父親が作家というのでアダムとのシェイクスピア話や 診療所のフェルメールの絵にラーウェンフックの顕微鏡の思い至ったりと “失われた帝国の偉大さを再演しょうという滑稽な試み”という戦争についてとワキの話も充実
アランが嗜む俳句♪に“正しいけれど社会的不相応”なアンドロイド的要素がこめられているような⁈^ ^
表紙の男前アラン♪^ ^に惹かれての久しぶりのイアン・マキューアンでしたが これまた今年のベストに残したい一冊でした⭐️