フェデリーコ・マリア・サルデッリ

関口英子・栗原俊秀 訳


1740年5月27日金曜日 

ウィーンに行ったきり音沙汰のないアントニオ・ヴィヴァルディ〜“赤毛の司祭”の館では ヴィヴァルディの妹マルガリータとザネッタが財務捜査官の付き人ナーネ・ボレッロによる借金の取立てに怯える日々

がしかしその日のノックの音は弟フランチェスコだった 彼は密かに兄の手稿譜の救出を提案実行 二挺のヴァイオリンとともに従兄弟ズアーネとふたり15往復して運び出す

という第一章に続き第二章

1922年秋 

モンフェラート地方のダ・パツサーノ城 マルチェッロ・ドゥラッツオ侯爵の死後 妻フランチェスカは気にそまぬまま その蔵書や手稿譜を遺言どおりサン・マルティーノに建つサレジオ修道院へと寄贈 

それは堆肥を運ぶ二輪車で4キロの道を3往復し3日後にすべて運び出され修道院の中庭に山となった紙の山!!を屋根裏部屋へと運び上げることになった修道士たちが作業の合間に垣間見た手稿譜を腹立ち紛れに蹴り上げる!💦


というように 1700年代のヴェネチア1900年代のトリノ交互に ラストは1839年ジェノヴァそし六つのエピローグで幕 


弟により救出された手稿譜面は その後愛書家の貴族 その窮乏につけ込む欲どおしい司祭 遺産相続で揉める兄弟 価値のわからない修道士たちを経て 

音楽愛好家のアルベルト・ジェンティーリ トリノ図書館館長ルイージ・トッリ トリノ図書館司書ファウスティーノ・クロル侯爵などの尽力でトリノ図書館へとたどり着くのだが

エズラ・パウンドやムッソリーニ登場 先のユダヤ人音楽愛好家たちの追放とファシズムの嵐に ヴィヴァルディの手稿譜とともに翻弄されることになる

とってもユーモラスな語り口♪ミステリアスにメロディアスに流れるような展開にワクワクしながらラストはやがて哀しきファシズムの影と悲喜交々が見事 しかも 脇役のお料理 バーニャカウダ 牛肉の赤ワイン煮などなど美味しそうで “詰め物をした鶉のスペイン風パイ包み焼き”は実際にそのレシピがあるそう^ ^


“本書で語られている出来事は、その大部分が実際に起こったことである”というように著者は秀でたヴィヴァルディ研究家にして バロック音楽のオーケストラ モード・アンティクオの指揮 リコーダー奏者 フィレンツェの音楽アカデミー古楽科の学科長としてフルートやリコーダーの指導 作曲をし たくさんの書物の著者であり挿絵も提供 版画 風刺雑誌に寄稿 と画家としても活躍 ということ⭐️サルデッリ🔍BGM🎶



そして今日7月28日は奇しくもヴィヴァルディが1741年に63歳でウィーンで寂しく死を遂げた日だった・・・

こないだ本屋さんで遭遇♪これはこれはと舌舐めずり💦図書館にあって少し前の出版だから直ぐ手元にが嬉しい



「調和の霊感」にまさに雷に打たれたように⁈ヴィヴァルディにハマった中学生のころ それまでマッタク⁈だった男の子がこの曲が好きだと言うのを聞いてやけに気になる存在になったことなど思い出した^ ^

昔 夏休み 縁側で本BGMは蝉の声

今 ずっと夏休み 冷えひえの部屋で本📖📚BGMはヴィヴァルディ♪の古マリメッコでした