箒木蓬生


パリで開かれた肝炎ウィルス国際会議に出席の佐伯教授は成果発表の後 アメリカ陸軍微生物研究所のベルナールという老人に かつて仙台の研究所の同僚でアメリカに留学しその後事故死したと聞いていた黒田武彦は実は自殺だったと告げられる

さらにベルナール老人にフランス アリエージュ県ウストにある彼の墓を自分の代わりに参って欲しいと頼まれ 墓守の人物ジゼル宛の封筒を携えて彼の地に赴くが 閉鎖的な村ウストに戸惑いながらもジゼルに辿り着くも彼女からベルナール老人からの封筒のみならず彼のことも拒否される・・・


というミステリアスな滑り出し♪背景も雑踏のパリから閑散のんびりな村ウスト 記憶の彼方の仙台の研究所での黒田のこと 

彼の研究していた仙台ヴァイラスが米軍北部兵站司令部の疫学部長のの目に留まりアメリカと旅立つまで 

彼の死後 福岡の療養院にいるという彼の兄の元へという過去を振り返りながらの旅は彼自身の心の旅にもなり 昭和の話には私も昔のことが思い起こされたりしつつ 核心の細菌兵器開発 そして黒田の謎の死の真実へと ジゼルの回想あたりから一直線!な感じで突き進む


風景描写や人物の掘り下げ方と綿密でジゼルとタケヒコのロマンスもあったり❤︎ピレーネの山越あたりは緊迫感!終盤には祭りに花火も🎶

途中から絶対そうやろな^ ^と思っていたラストも鮮か⭐️とエンタメなのにウィルス関連などにはもちろんコロナがよぎりと 1983年出版なのに古さを感じない


精神科医という著者の“逆立ちした科学”への警鐘がズシリと重い 珍しく夫の これ面白かったとオススメの一冊でした 

さぁ遂に読む本が無くなった💦

早く来いこい予約本📚