エヴゲーニイ・ザミャーチン
小笠原豊樹 訳
「単一国」で特殊ガラスの楕円体「積分号」の建造に携わる技師D503号の僕の手記ということで
そこでは「守護局」の監視のもと「時間律令板」によって画一化 自然界とは「緑の壁」によってさえぎられ ガラス張りの建物の中「薔薇色のクーポン券」のもとにブラインドを下ろしての生殖活動統制 君臨するは「慈愛の人」逆らう者は「機械」によって立方体に入れられ「ガスの鐘」で抹消される
一日のうちの2時間の個人時間でこの手記を書く主人公D503号 薔薇色クーポンで 何もかも丸々としたO90号との15分の逢瀬の日々
ある日入り込んできた女性I330号との「古代館」での出会いに動揺で「よくない状態」になり 今までの統制から少しずつはみ出して行き ついには彼女の組織に包括⁈その心と体はあらぬ方向へと突き進む・・・
ユニファという衣類をまとい アエロで移動「音楽計」による作曲 など近未来的ながら 想像力=病気とみなされ摘出手術されたり あらかじめ選挙結果が決まっている「満場一致の日」や「街頭震動膜」には監視カメラやなぁというディストピア小説 これが1920年に書かれたというのに驚く‼️ 100年前⁈まるで今現在⁈
“ロシアだからね”というあれこれが私は好きですロシア文学⭐️ その豊穣な文学の力が戦争終結につながらないかなと祈りつつ
先日の「クレムリンの魔術師」の物語の始まりのきっかけとなった本作でした