ローラン・プティマンジャン
松本百合子 訳
フランス北部ロレーヌに住む 国鉄の高架線の作業の仕事と社会党支部の活動という実直な父親のもと 長男フス〜地元フットボールで活躍のフレデリックの愛称 と弟ジルーと三人 妻をガンで亡くした後もなんとか暮らしてきたが 少年から青年へと いつしかフスは中間たちとの時間が多くなり口数少なくなる
ある日フスがケルト十字のバンダナを巻いていることに気づき いつもは口数の少ない父親なのに声を荒げることに 幼い頃から社会党支部のビラ配りを手伝ったりと てっきり同じ価値観のもとに育っていると思っていたのに真逆のファッショ〜ファシスト に傾倒とは
戸惑いながらも不器用な父親は真っ向から斬り込むことも出来ず悶々と過ごす そんなところに酷く負傷したフスが・・・
淡々とした語り口 始めからどことなく哀しみをまとっていて きっとそれを引き継いだようなフス 自己主張はサッカーの試合に出てるときのみ 小さい頃から弟の面倒見もよく成長してからは躊躇する彼をパリへと背中を押したりと優しさも心配りもある そんな彼なのにと思うと事件に至ったことが父親ならずとも悔やまれる
フスのかつての友だちジェレミーを交えての家族の会話や 気持ちは離れても彼らのサッカー観戦のシーンなど 何度も鼻の奥がツーンとなり ラストは号泣してしまった 今もまた書きながら涙が・・・
マクロン✖️ルペンの大統領選の話などもありフランス人の政治的関心の高さは若者にも その対立など映画やドラマでもよくあるが 日本人のこだわりかたとは少し違う
けれど子どもたちへの愛は変わらず 息子や娘への接し方のあれやこれやの戸惑いが父親の想いと重なり共感をおぼえる
読んだ後は惹きつけられた表紙のモノクロの写真さえ哀しみを帯びてくる 秀作でした⭐️
結局一冊目は予約無し予定外だったこれに
りんごのパンケーキ食べたので図書館まで返却がてらに散歩
河原を席巻するキバナコスモス🌼