ジャネット・スケスリン・チャールズ
高山祥子=訳


1930年パリ オディールは幼い頃からおばとともに通った図書館の影響もあり本好きに♪ そしてついに 女性は仕事などせず家庭をという父親の反対を押し切りパリのアメリカ図書館に就職することに 
女性館長ミス・リーダーのもと同僚や個性豊かな利用者たちとの交流を楽しみながら仕事に取り組んでいたが ドイツとの戦争が始まってからは病院や戦地にいる兵士に本を送ることに力を注ぐ
そんなところにドイツ軍のパリ占領で利用者のユダヤ人たちに危機が訪れる・・・
というオディールの章〜これは事実に基づき

1983年 アメリカ モンタナ州フロイドという街で12歳の少女リリーは隣家の謎の女性ミセス・グスタフソンのもとにフランスについてのレポートのインタビューのためドアを叩く・・・
というリリーの章
を交互にがミセス・グスタフソン=オディールというのがわかってきたころからオディールバージョンに重きを置かれて 

警察署長の気難しいパパ 優しいママ オディールの双子の弟レミー レミーの恋人であり親友でもあり図書館司書でもあるビッツィ 同じく図書館司書のマーガレット そして恋人となる警察官ポール とさまざまな人物で話が発展

方やリリーの悪友⁈メアリー・ルイーズ ほのかな恋心ロビン ママの病気と喪失 その後やってきた継母エリーとパパとの男の子ふたりとの混沌の日々は反抗期も手伝って荒んでしまうが オディールの存在でなんとか持ち堪えていたのに
決して許されないことをしてしまい二人の関係は破綻・・・
リリーの不始末は “なぜオディールはパリからモンタナへ⁈” という謎の解明となる そして巻頭のこの写真の謎も最後に解き明かされる⭐️




いやあ面白かったよ本好きお友だちのオススメ⭐️たくさんの📚や作家の名前はまるで翻訳小説好きの私の若き日の読書履歴をたどっているようで嬉しくなっちゃう🎶

罪と罰 秘密の花園 眺めのいい部屋 長い冬 アンナ・カレーニナ 星の王子さま 西部戦線異常なし 野生の呼び声 無垢の時代 etc
ドストエフスキー ブロンテ姉妹 スタインベック エリザベス・ボウエン イーディスウォートン エミリー・ディキンソン etc

「そして誰もいなくなった」は823というデューイ分類法で何でも分類するオディール♪ シニョンに鉛筆を挿すパリジェンヌ♪ と楽しい話もすこし 
登場人物それぞれ思いやりあふれながらも人間につきものの嫉妬や 戦争はおろかパリ解放後の人々の残酷さに胸が痛みました
しかも著者はウクライナ オデッサで2年間を過ごし教職にも ということがあとがきにあり重ねて暗澹たる気分になりました

そして読み終わったあとオディールのように尋ねたくなりました
あなたは何を読んでいるの?