アンソニー・ドーア
藤井光 訳
”ラジオから聞こえる懐かしい声が、
盲目の少女と若い兵士の心をつなぐ。”
〜カバー表紙より
第一章1934年
6歳の小女 急速に視力がおとろえつつあるマリー=ロール ある日父親が錠前主任として働くパリの博物館で13の扉のなかにあるという宝石”炎の海”の話を聞く
同じ頃 そのパリから北東に500キロ離れツオルフェアアインというドイツエッセン地方の炭坑製鉄地帯 炭鉱の事故で父親を失い孤児院で過ごすヴェルナーと妹ユッタは打ち捨てられた壊れたラジオを修復 えもいわれぬ音楽の調べとフランス語で語られる話に心を奪われる
という二つの物語を少年少女の二人の主人公で
盲目の娘のためにパリの街を そして戦争で疎開したサン・マロの街の模型を作る父親その疎開先に暮らす 先きの大戦で患い それから一歩も外に出ないという 大伯父エチエンヌ 家政婦のマネック夫人との暮らし というマリーの話
一方「量子力学」の本を9歳にして理解するヴェルナーは引き立てられ輝かしくも総統の訓練校で学ぶことになるが 次第にその集団への懐疑 フレデリックという友を失い 自信の良心とのジレンマ 矛盾に傷つきながら・・・そうこうしているうちに無線要員として戦闘に赴きロシア ポーランド ウクライアナ オーストリアそしてフランス サン・マロへとたどり というヴェルナーの話
1944年までのその後の10年ほどが交互に語られる 希望と絶望 もうここで止めてしまおうかとおもうよな時も 語り手が代わることによって場面が切り替わりもうちょっともうちょっと
最終章 第十三章 2014年へと導かれる
加えて神秘の謎も追う 果たして奇跡なのか災いなのか”炎の海”は何処へ⁈
ふたりが交錯するつかの間の クライマックスの70ページほどは息もつかず!読みました圧巻!しかも どこもかしこも詩的 海の匂いがしたりする^ ^
”ラジオからは音楽が螺旋になって流れ出し、彼女は素晴らしい気分になって長椅子にまどろみ、体は温かく、食事もして、文章に抱き上げられて別の土地にはこばれていく。”
というところなんて(☆。☆)大好き
文中流れる”月の光”を聴いたり
グーグルで サン・マロの街をながめたりしながら
ブルターニュ 港町行ったな〜そうそうエトルタだった
こないだ「フランス組曲」今年の1位と思ったけれど
もう一冊 この本を!!
何かの書評でみて図書館予約以外と早く手元へ
さて次の予約が入っているようですので とっとと持って行ってきます
ついでに仕事行ってきます^^
え━━━(゚o゚〃)━━━!!!