宮下 奈都
装画 牧野千穂
装丁 大久保明子
本屋さんの店先に並んだとき
カバー表紙と題名に目が
羊と鋼という相対する表現が
実はハンマーのヘッドのフェルト~羊
それを打つ弦~鋼
というピアノの中のことだということが
読み進むうちに解ってきます
主人公 外村は偶然 学校のピアノの調律にきた
坂鳥という調律師の調律とその音色に森を感じ
調律師をめざすことを決意 専門学校を経て坂鳥のもとへ
そこで ほかの調律師たちや顧客の人々
なかでもふたごの姉妹のピアノに魅せられたりしながら
研鑽を重ねつつ 調律という深い森のなかに
足を踏み入れてゆく過程が
まるで音楽が流れるように静かに語られていきます
ピアノや音楽的経験が無くてもそんな仕事に就ける
というのや ピアノに調律がいかに作用するのか
それを育てる環境や人 本人の努力や葛藤
についても知ることとなりました
今度ピアノを聴くときはきっと 森を感じることに♬
ここ二、三日のお天気みたいに爽やかな本でした

