※過去に人気があった記事を再アップしました。

こんにちは。

カウンセラーのNAOKO（松宮直子）です

先日、

「記憶屋」

という映画のDVDを観ました。

とても辛い出来事の記憶を消してくれる

「記憶屋」

が存在しているというお話です。

記憶屋に記憶を消してもらった人は、

強盗強姦の被害に遭ったり、

様々な辛い出来事に遭遇をした人たちです。

私も過去に同じような被害に遭ったことがあり、

自分と重ねて観てしまいました。

本来は、どんなに辛い出来事があったとしても、

後々に、必ず本人にとって「成長」や「糧」に繋がります。

それは私自身も様々な辛い出来事に遭遇していますので実感しています。

ただ、映画を見ながら、

「さすがに強盗強姦の事件の被害に遭った人たちは、記憶を消してもらった方がいいよなぁ」

と思いました。

そんな被害に遭ったら、

生きていること、

存在していることが辛く重く、

自分が汚されてしまった

という意識もなかなか離れません。

そこから何が学べるのか？

何の成長に繋がるのか？

と思ったのです。

自分自身を振り返ると、

そこまでの被害にまでは及んでいなくても、

やはり

生きていくことが苦痛となり、

汚されてしまった自分

という意識から離れられず、

外に出ることも怖く、

人間不信に陥ります。

外の世界はまさに凶器でしかなく、

男性不信でしかなく、

全てが怖くなるのです。

フラッシュバックはいつまでもつきまとい、

悪夢を見ては、思い出し、

何度も繰り返し起こる、

追体験

全てが暗く閉ざされた世界となります。

普通に宅急便やさんが来るだけでも怖いですからね。

そんな辛い体験でさえも、同じ様な体験をされた方でないと、

なかなかこの苦しさを理解してもらうことは難しいです。

ただ、やはりそんな消したいような辛い体験でさえも、

誰かの役に立つこともあるのだと・・今は、実感しています。

（当時はもちろん思えませんよ）

夫に不倫をされることも、

突然、予期していない強姦などに遭ってしまうことも、

とても理不尽であり、不条理なことです。

ただ、ただ一生懸命に生きてきただけなのに、

なぜこんな目に遭わないといけないのか・・。

女性としての尊厳すら奪われ、汚され、

過去も、現在も、未来でさえも、

全て奪われてしまうような感覚になるのは同じです。

そして、世間からは、

「あなたに隙があったのよ」

とか、

「あなたに原因があったからじゃないの？」

と、なぜか被害者が責められる。

もはや被害のループです。

そこから再び自尊心を取り戻すまでどれだけ大変なことか・・・

本当に計り知れないものです。

「自分も悪かったのだから」

となんとか自分を納得させようとしても、

心が「違う」と叫んでいる。

こんな理不尽なことがあるのでしょうか。

誰しも忘れたい記憶なのだと思います。

それでも、改めて振り返り、考えてみると

その記憶を忘れてしまったら、

人を憎む気持ち

心の底から込み上げるほどの怒り

自尊心を奪われた感覚

これらの気持ちも忘れてしまったら、

やはり今の私は存在はしないと思ったのです。

上記のような感情を持っている自分にも驚きました。

同時に、そういった気持ちは「あまりよくないこと」だと思い、

蓋をし続けていた自分にも出会えました。

そして、感じたんです。

清らかでなくてもいい、

負の感情を持ってもいい、

どんな自分でもいいんだ・・

ということを。

そうしたら、今まで生きてきた人生も、少しだけ楽になったような気がしました。

何より、

なぜ、人は辛い出来事を何度も思い出してしまうのか？

それは、

同じような危険な目に遭わないようにするために

何度も心が思い出させるのです。

これがなかったら、

無防備になったり、

危険を回避する力もなくなってしまうので、

それはそれで怖いことなのだと思いました。

以前、カウンセリングをさせていただいているとき、

海外の女性（外国の方）だったのですが、

「記憶を消して下さい」

と何度も叫んでいました。

記憶を消してあげたい気持ちはあるのですが、

それはできないですよね。

（フラッシュバックを少し軽減することはできても、記憶そのものは消せません）

どんなに辛い出来事であったとしても、

記憶がなくなってしまったら、

また同じような経験をしてしまうかもしれない。

そこから学べることが学べなくなり、

気づくべきところも、気づけなくなる。

「夫の不倫」

という一つの出来事から、

想像ができないほどのものを

「掴み取る」

方もいます。

そのような方は、

「このことがなかったらと思うと、それはそれで怖い」

と言います。

このような方は、

人生において一番大切なものを

掴み取ります。

今まで沢山身に付けた価値観（自分にとって重いもの）

を根こそぎ手放し、

エネルギー的にも何倍も軽くなり、

一人の人間

一人の女性

として、更に輝きを増しています。

そう考えると、

私も、やはり今までの辛い記憶というものは、

消してしまったら怖いなぁと思うのです。

とっても複雑なんですけどね。

順風満帆な人生が一番だと思いますが、

残念ながら、

それだけでは、

人生に一番必要なものを

掴み取ることは難しい。

心の傷

というものは、

ただの傷だけではなく、

「光」へと変える力があります。

その光は、

自分だけでなく、

周りの大事な人たちへと照らすこともできます。

寄り添い、癒し、支え合う光となるのです。

人は自分のためだけに生きることは難しく、

誰かの役に立ちたい

という想いを持つ生き物だとも思うのです。

自分を犠牲にしてまで誰かの役に立つことをする必要はありませんが、

それが生きていくエネルギーになることもあります。

傷ついた分、

人の痛みを想像することができますから、

その傷は、絶対にムダにしてはいけませんね。

だからといって、

むやみに傷つく必要はないのですが（汗）、

もし心に深い傷を負ってしまったら、

誰かにたくさん癒されて、

自分を取り戻し、

次は、他の誰かを癒す側になりたいですね。

そうやって誰かと誰かが結びつき、

癒し合い、

支え合い、

生きていけるのだと思います。

辛い記憶は時に消したくなることがあっても、

いつか光に変えていけるように、

小さな光を見失わないようにしていきたいですね。

今日もお読みいただき、ありがとうございました＾＾

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