昔の日々 | 宮菜穂子オフィシャルブログ「菜時記」Powered by Ameba

昔の日々

『昔の日々』@日生劇場
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作・ハロルド・ピンター
演出・デヴィッド・ルヴォー

どんな物語だったかは、
ここでは割愛させていただくことにして。

ねっとりと濃密な時間の交錯を目撃しました。
あれだけ大きな日生劇場で、
舞台上にいるたった三人の人間が、
ものすごいパワーをもって存在する。

現在を生きることは
毎秒過去を生産してゆくこと、
その産物は、
記憶というろ過装置をとおる。

たとえ共通体験であっても、
記憶はまったく自由気ままに、
過去を新たに、いや、いいように、
問うままにつくりかえる。

人間の過去と現在について、
記憶と思いでについて、
つぅっと一本の線に貫かれ考えさせられた時間。

視線で、一歩で、脱いだハイヒールを黙視するだけで、
時空がかわってゆく贅沢な演劇時間。

人間、はては人類の誕生をも、
考えめぐらさざるを得ない終演後。


15日まで日生劇場。