Anything Goes | 宮菜穂子オフィシャルブログ「菜時記」Powered by Ameba

Anything Goes

『Anything Goes』@Stephen Sondheim Theatre

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あの、コール・ポーターの音楽にのって、
ニューヨークからロンドンにむかう豪華客船の中で繰り広げられる、
超ブロードウェイミュージカル。

小さいころBW特集のテレビ番組で、
パティ・ルポンが口を大きく開けて歌いおどっているのを観てとりこに。
音楽もダンスも軽快絶妙でしたの。

初演は1934年、エセル・マーマン主演で上演。
日本でも何度か東宝でやられてるかな。
映画もふたつあって、マーマンが主役の歌姫のものと、
あとは、記憶が定かではないのですが、
ピング・クロスビーがもう一人の主役ビルをつとめたものも。

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今年のトニー賞、ミュージカルリバイバル賞と、
歌姫Reno役で主演女優賞をとったサットン・フォスターが出てるとあって、
チケットは入手困難&価格高騰。

しかし、ちょいとくちききをいただき、
125ドルでオーケストラボックスを手に入れる。
さすがRoundabout Theatre。
協賛者のおかげで、チケット価格はトニー賞後も維持されてました。

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圧巻!
全ての歯車が笑顔全開で心地よいリズムをもってまわる。
これは、絶対に日本ではみられないパフォーマンスでした。

サットンフォスターはもちろんのこと、
(彼女がいるだけで舞台が花園になる、歌うだけで幸せになる!)
Billy役のColin Donnellも素晴らしき腰低き古典ダンスを身につけていて、
かつ、粋でセクシーで、軽快。
サットンと並ぶヒロインのホープは、「俺たちに明日はない」のヒロインの子でした。
もちろん、John McMartinも、Jessica Walterも年配役者が
楽しく絶妙なこと。

そして、なんといっても、ジョエル・グレイ!
映画「キャバレー」でMCをやっていた人、といったらわかるでしょうか?
CHICAGOのエイモスもやってました。(小柄です)

もう70代後半だとおもうんです。
でも、踊るし、歌うし、イタズラするし、群舞にまじって踊るし、
なにより、いちばん生き生きしていて。

物語を動かしていました。

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彼が小鳥のことを歌う場面があるのです。
その小鳥は照明のブルーのピンスポット。
そのピンスポットとのデュエットダンスは、
そこに本当に鳥がいるかのようにみせてしまう、
彼だけが持つ力のマジックがありました。

この人ほど、毎日新鮮に楽しむ人はいないだろうなあというほどに、
ナマでした。

振付も、すばらしくて、
一幕ラストのタップダンスシーンは、
観ているだけでわけもなく涙が止まらず。

あぁ、来たかいがあったよ、
シリアスな大人のミュージカルもいいけれど、
底抜けに明るく、
底抜けにプロフェッショナルな総合芸術、
底抜けに笑わせてくれ、今日一日を幸せにしてくれる、
ブロードウェイ的ミュージカル。
旅の最後の日にやっと出会えて、大感謝。