だめだしを・・・ | 宮菜穂子オフィシャルブログ「菜時記」Powered by Ameba

だめだしを・・・

芝居作りの中で、「だめだし」というのがあります。
やってみたことに対する、
演出家のコメント、ご意見、指南、ノートのこと。

私が一緒に仕事をした何人かの海の向こうから来た演出家だと、
Yes,and・・・・
と会話がすすんでゆきます。
「そうだね、うん、いいよ、とっても。
そうしたらさ、こういうのはどうだろう、たとえば・・・」
みたいな感じです。

これが、日本語の中だと、
「ちっがうんだよなぁ、なんか。だからさぁ・・」や
「んー、あのね、そうじゃなくてね・・・」
となる比率が多くなります。

これは、あくまで私の少ない経験のなかの話ですが。

いいねぇ、と持ち上げられ、
まるであたかも自分がそれを発明して
うみだしてしまったかのような錯覚におちいれさせられる
Yesからはじまるマジックと、

No、ちがうんだよ、と
ちょいとどこかに負の要素をただよわせながら、
おしせまる提案のことば。

同じことに対して、コメントの仕方というのは、
繊細な人へは、かなり意欲や発想力に影響する。

これ芝居の現場に限らずです。

わたしは年を追うごとに、
ザ・鈍になりつつあるので、
言葉に惑わされることなく、
何をいってるのかな、と
身体で聞くようにしてみてます。

そうすると無駄にへこんだり、
気落ちしたり、
はたまた否定された、という思い込みをせずに済む。

言われてやる、と
自分からやる、との差は、
そんなにない。

自分からやるの分量が増えると、
知らぬ間に、身についてゆくものか、な。

劇場で出会う人以外のたくさんの人に
最近会うようになって思うことのひとつでした。