Side Show ~サイド・ショウ~ | 宮菜穂子オフィシャルブログ「菜時記」Powered by Ameba

Side Show ~サイド・ショウ~

『SIDE SHOW』@東京芸術劇場中ホール

$菜時記

脚本・作詞:Bill Russell
作曲:Henry Krieger
演出:板垣恭一


大満喫。
こういうミュージカルが好きです。
ザッツミュージカル。
人が蠢き、ドラマが動き、一人ひとりが特別。
登場人物一人ひとりに役割があり、全員が必要。
瞬間のつらなり、その一瞬の気持ちがひとつひとつの音符。
身体の細胞、血肉のうごめきが奏でるリズムが、
その時の音楽になり、歌になる。
そしてたくさんのドラマが動き出し、ハーモニーになる。

実在した結合双生児、デイジー・ヒルトンとヴァイオレット・ヒルトン姉妹(1908年~69年)の
生涯を描いた作品。
見世物小屋から、ハリウッドに行くまでの彼女たちのお話。
生きてゆく中での、出会うもの全ての瞬間がドラマだなぁ、
と音楽が語ってくれます。

舶来モノなのに、日本語がとても聞き取りやすく。
全部歌詞が聞き取れたのは、何のなせる業かしら。
そして振付(ステージング)が、本当に素晴らしくて。
緩急自然に響きあう。
全ての要素が折り重なって紡ぎあってました。

特別に誰かを見たくて(ファン)で観劇に行く、
ということはほぼない中で、
作品をこんなに楽しめて、関った人全てのファン、
という結果になってしまうのはとても幸せなこと。

とはいえ、
伊礼彼方さんはとても心に残りました。
あの「明」るさが、とてつもなく幸せもせつなさも呼ぶ。
これは彼の舞台をみていつも思うことです。

ミュージカルってなんだろう、と常々思ってますが、
昨年の「ジェーン・エア」のような、静の中の動の舞台、
そしてこの「サイド・ショウ」のような、動の中の静の舞台、
この両極が私の好きな作品です。

素敵な舞台に感謝です。