蜘蛛女のキス | 宮菜穂子オフィシャルブログ「菜時記」Powered by Ameba

蜘蛛女のキス

『蜘蛛女のキス』@東京芸術劇場中ホール


MATERIALのお稽古、

全体像はまだまだ見えず。

しかし、今あるだけでも十分すぎるほどに、

取り組まねばならないコトが多く。


稽古場に、朝から晩まで、スタッフ、キャストずぅぅっと居ます。

ずぅぅっと、何かしらしてます。

合宿みたい・・・。

こうして、皆、お互いを知ってゆく。


お稽古休みの今日は、

「蜘蛛女のキス」また、観にいってしまいました。


どんな作品でも、千秋楽観劇は苦手です。

が、今日しかないので、無理いってお席とっていただき。

ありがとうございます。


なんて奥深い、肌の内側にピトッっとくっつくような作品。

翌朝目覚めても、ぬぐいきれない何かが残っちゃう。

音楽なのか、視覚的な何かなのか、瞬間たちか、言葉か。

それとも、全ての間にある、人と人とが生み出した空気か。


深刻で、実は重いはずの題材なのに、

いや、だからこそなのか、

カンパニーの温かさと、作品のもつ冷たさと突き放した感があいまって、

ラテン的音楽や思考回路、ラテン的冷たさと思想があいまって、

性別と性別の間にあるものがあいまって、

本当に、

作品の持つ蜘蛛の網に引っかかってしまった、

そんな気持ちになりました。


歌も芝居も踊りも、映像も、音楽も、全てが特別で、融合して。

すべてが一つの糸で結ばれて。

これはミュージカルなのか芝居なのか、

そんな分け方はいらんのぉ、ひとつの作品だのぉ、

そんな舞台を、見たかったのぉ、

そう思いました。


目をこらせば、本当に難しく大変なことをしてるのに、

全然そう見えない、そのすごさ。

それが技術か。

達者な人たちあってこそ。


すごいっす。

いい舞台をありがとうございました。

また、観たいなぁ。

再々演、してください。