狭き門より入れ | 宮菜穂子オフィシャルブログ「菜時記」Powered by Ameba

狭き門より入れ

「狭き門より入れ」@PARCO劇場


長年の亀治郎ファン。
初現代劇、祝PARCO再登場という単純なファン心理で観劇。

いやはや、まいりました。
前川作品はイキウメを三つほど見たきり。
神憑り的、SF的、時空を越えた現代劇。
えてしてSFものは、観客を置いて独り歩きしてゆく場合が多い。
でも前川さんの書く話は現実的すぎて、
隣人親戚、はたまた自分に置き換えて考えざるをおえない状況を提示展開。

この、狭き門より入れ、もしかり。
世界に蔓延するウィルスの脅威、モラル、正義、自分と自分以外。
日常とすぐ隣り合わせな不思議な非日常的出来事。
物事すべてがおもてうらどちらから見るかで一転する。
話は、最期の審判に集約される。
世界の終わり、新たなる世界の入口があるとしたら、
そこに人数制限あり、淘汰される人間がいると知ったら、
生きるとは。

身近な話題から、普遍的テーマを投げかける、
そこに役者の自由さとウィットをまぜて。
観客は目撃者でも理解者でもなく、体験者になる。
前川作品の醍醐味だと改めて感じ。

しかし、まるで聖書です。このお話のテーマ。


そう、私調度今、かなり聖書読んでます。
読まなきゃならない矢代作品を棚に飾り、
マイベスト「峠」でニュートラルになってから、阿部謹也先生をチラ見しつつ
有吉佐和子、遠藤周作、三好達治、三浦綾子、
読み慣れたものと不慣れを織り交ぜ。
ジェーンエアも読み返したいのだけど。
旅の荷物は増えるばかり。

明日は名取公演、そのあとは盛岡に。