WEST SIDE STORY | 宮菜穂子オフィシャルブログ「菜時記」Powered by Ameba

WEST SIDE STORY

『WEST SIDE STORY』@オーチャードホール


菜時記

ジョーイ・マクニーリー版のWSS。

WSSを演出することの許されている人は世界にわずか。

大きな幹は同じではあるけれど、

昔の劇団四季版、宝塚版、それぞれ演出家が違うので、

作品の解釈もちょい違います。

なので、誰それ版という言い方を。


今から5年前に、出演したWSSもジョーイ版。

よみがえる過酷な夏の稽古場。

朝9時からみんなでバーレッスンしたり、

WSSという大作に挑むという重圧でへこたれたり、

プエルトリコ~♪のソロの歌いだしリズムがとれずに泣いたり、

ジェットとシャークで一日口をきかないという号令がかかった日があったり。

いやはや懐かしき青春の思い出。


ある程度同じかと思いきや・・・。

セットも照明も衣装も、振付もミザンスも違うやん。


我々ベニヤの板床でチクチクしながら踊ったけれど、

ツルツルのリノ床で、

しかも「アメリカ」のナンバーはヒール脱いで、裸足で舞っとった。

あれまぁ。

裸足は危険だけれど、踊りやすかろうに。

と、少々羨む。


そして今日の感想は、もう黙します。


あまりに、映画を見すぎていて、

あまりに、稽古と本番を見すぎていて、

主観と記憶とが交錯しすぎるので。


古典を現代に伝えるのは、

ビジュアル的なことでなく、

忠実に、古典を通るところにあるんだと思うのだ。

もし、WSSがもう古典ならば。


明日は金沢。

この一週間で何度越後湯沢を通過しているのだろう。

大地の芸術祭、立ち寄れるかしらん。