雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた
『雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた』@シアターコクーン
を観劇。
戯曲:清水邦夫 演出:蜷川幸雄演出
27年目の再演なのだそう。
北陸のデパートに存在した少女歌劇団が戦災で消滅。
その戦中に記憶をなくし30年ぶりに蘇った女役元スターのもとに、
歌劇団員があつまり「ロミオとジュリエット」を上演のための稽古をする、というお話。
年月を経て目覚めてみれば、世の中は変わり、形相も違う。
蜷川さんと清水邦夫さんのお話やら、社会情勢など背景に
多重構造になっているのだけれど、大筋は↑。
そのなかで、果敢に可憐なジュリエットに挑むスターの狂気はすんごい。
その狂気に輪をかけて真摯にものすんごい存在であらわれる相手役ロミオもスゴイ。
様式美のきわみでした。
紙屋町さくらホテル、を彷彿。
デパートの階段が、電飾つければ宝塚の大階段、
というのに興奮。
瞬間瞬間、きらめくような瞬間、
そこに、じわりと涙する。
瞬間瞬間、ふとした瞬間、
そこで、ふと現実にかえってしまう。
演劇は信頼への道ですから。