悪路王 | 宮菜穂子オフィシャルブログ「菜時記」Powered by Ameba

悪路王

「AKURO」@東京芸術劇場中ホール 


菜時記

ゲネプロを拝見。


初演とはまったく違う空間に。

匂いも手触りも空気も密度も濃さも。

どちらも好きです。

どちらもとびきりの謝先生の世界。


蝦夷の話、純血東北人の血が騒ぐぜい。

胆沢は水沢、まさにその血が半分だもの。

鬼剣舞のごとき舞い、

地を踏み、宙をきり、唸る声、叫び。

ラストの大団円立ち回りは、しばし浪人街を思い出し。

野蛮さ、本能のままの動き、腰低き足踏みは、

やはり大木や大河、獣の鳴き声を想像させ、

舞台に自然を呼び起こす。


いずれにせよ、ここは、TSはわたしのふるさとです。

これでもかと熱く篤く極度に攻めつづけ、ほろりともさせ、

大ナンバーの中で、バンプの中で難解な史実が蠢く。

これでもかと稽古を重ね、これでもかと提案しあいながら、

これでもかと、挑み続ける。

初めて直に触れた舞台の世界でしたもん、10年前に。


終演後は、我らがフォッシースピリット、ヒロ君に会い安否確認。

直人さんに来年の共演のご挨拶。

兄貴としたう屈強なる蝦夷、大和勢にご挨拶。

さーやにも来年再演のご挨拶、で、共に池袋なお茶時間。


蝦夷のお話、桟敷童子が取り上げたら、どうなるだろう。

ミュージカルのために蝦夷叫ぶか、

蝦夷叫ぶために、舞台つくるか。

眠れる史実を、謎を、魂を舞台へ呼び戻すには。


そこで歌ってしまう意味、

オリジナルだからこそできることなのか。

そこで踊ってしまう意味、

オリジナルだからこそ、自然発生的なのか。