劇場 | 宮菜穂子オフィシャルブログ「菜時記」Powered by Ameba

劇場

今更ながら今年のトニー賞を。

去年秋はまんまとストに遭遇して、

今年の春は借りたアパートがスタジオの隣で、

ものめずらしいジャンルのダンス漬け。

でもかなり観劇。


小さい頃にカセットちぎれるほど聴いてたパティルポンのジプシー・ローズ。

ナインのオーディション前に、聞きほれたクラウディア役のローラ。

この二人のジプシーを見た時のゾクゾクが再び。


ベガーズのルーシー役ジーナと、なぜかカラオケ友なダニエルのジョージの恋人。

危険な関係、レント、イン・ザ・ハイツ、喝采・・・。

今更だけど、懐かしくもワクワクとビデオの前で盛り上がり。

遠くて近いブロードウェイ、近くて遠いブロードウェイ。

そう、早く見なくては、「ブロードウェイにかける夢」。


この春NYで見た10本近くの中で、一番激泣きしたのは、

コーラスラインなのだから。


小さい頃から、見るのを許されたのは、

マイ・フェア・レディとメリー・ポピンズ、オズの魔法使い。

少し大きくなって、コーラスライン。

その衝撃といったら。

思春期のくだりはよくわからなかったけれど、

お話もよく理解できなかったけれど、

ラインの上でさらされる生、素舞台、汗、

ゆめ、というもの、

断片的にあの音楽と共に血肉に流れました。

流れ続けてました。

大きくなったら、みんなこういう人たちになるんだ、

とちとイタイ幼少期の私は思っていたのでした。

その頃に、バレエなぞ習い始めていたらよかったのだが・・・。


NYでみた、リニューアル版のコーラスライン。

幕開きから号泣。いちいち号泣。

ディアナのくだりで、ポールのくだりで、キャシーの総てで、

ラインの総てで。

ギンギラのあのコスチュームで。

41stから73stのアパートまでなきっぱなしでスタスタ帰りました。


その舞台裏が映画になっているというのだから。


すたこら帰ったといえば、秋に見たケビン・クラインとジェニファー・ガーナーの、

「シラノ」もわけわからずに嗚咽した記憶が。

シラノ・ド・ベルジュラックがこんなに生々しく訴えかけてくるとは。

シラノは喜悲劇。


わけわからんけど泣く、そういう体験は、

劇場がもたらしてくれることが何度かある。

めったに出会えないけれど。

劇場で働き続けたら、摩訶不思議な涙とまた会えそう。

そう思って、

あたしゃ明日もCHICAGOに。