私生活@シアタークリエ | 宮菜穂子オフィシャルブログ「菜時記」Powered by Ameba

私生活@シアタークリエ

痛快、爽快、絶妙なるハーモニー。

ヒトとヒト、ヒトと言葉、言葉と音楽。

たまらない人間賛歌。

喜劇も人を刺す。

心の音叉をガンガン鳴らす。


ノエル・カワードの「私生活」

演出はジョン・ケアード。


4人の男女の繰り広げる会話劇。

あけすけで豪快でわがままで自分自分なオトコ、

奔放で、自由で、瞬発のオンナ、

らしい、というコトバのもと、理想的女性を求めるオンナ、

同じくらしいというコトバのもと、理想的男性を求めるオトコ。


もともと実在した俳優に当てて描かれたそうで、

現実的な登場人物のバックボーンは

詳細にはかかれていず、関係性だけが鮮明に。

でも、いちいちがリアルで、生活感があって、

言動不一致なところなぞない。

そういうオトコって、オンナっているよねぇ、、、と叫びたくなる。

劇場中の客席に各々の記憶の風船がたってたんでは。

その何百色もの記憶の風船をノエルカワードの言葉が包む。

記憶を経巡らせて、出会った人々を4人のどれかに当てはめようとしてみる。

あぁ、ジョンは人間そのものだ。


この日本キャスト、内野さんも寺島さんも、なんとなく、

我々庶民は私生活をパパラッチのおかげでしっているから、

余計に面白いぞい。


我らがマクヒースは体中からのフェロモンをコントロールしきれない男から、

愛嬌の制御のできない男、そして、父性と野性とを併せ持つ男になっとった。


1920年代の髪型と衣装、雰囲気が手に取るようにつたわる、

それでいてとても今考えること多しの、いつの世もな、お話。

ヒーローもヒロインもない、誰も死なない、殺さないお話、笑って泣いてスカッと。


今度の夏夢はこれが、月の光でつつんだよな後味になってほしか。