「いさかい」@ベニサン | 宮菜穂子オフィシャルブログ「菜時記」Powered by Ameba

「いさかい」@ベニサン

森下からの道をかみしめながら、

ベニサン・ピットへ。


18世紀フランスの劇作家マリヴォーの「いさかい」。

ベニサンの、毬谷さんがみたい一心で。


セットはなにもなく、あのボイラー室をまるまる舞台に。

壁や柱に目をやるたびに、ナインの稽古を、血の婚礼のことを、

ココで見た数々の芝居の匂いを、感じました。


恋愛における不実、つまり浮気とはそもそもどちからかはじまるものなのか、

それを実験する人たち。

赤ん坊のころから他の人間と一切接触せずに育て、

その男女の間に生まれる恋愛感情、人間が初めて恋愛をする経緯を覗き見。

愛にハマリ、飽き、新しいものをもとめてゆく。

オンナとオトコ、オンナとオンナ、オトコとオトコ、

人類には二つの種別しかなく、その二つが、

どうやってお互いを認識し識別してゆくのか。


ヒトが自分を認識し、他者を社会を認識し、

性別の違いを認識し、優劣を識別する。

所有の意識をもつ。

そのそれぞれにコメントをもつ。

そのコメントは永遠に続くものではなく、

いつかは変化する。


そう、変化。

変化はしたいが、他人の変化はみとめたくない。

変化はしたくないが、他人には変化してほしい。

人間てそんな感情の連続だ、とふと思う。

変化に敏感で、そして寛容でいたいどす。

舞台も。


毬谷さんは、赤ん坊からエゴイズムなオンナに

知らないうちに変貌。

ただの生き物からはっきりとした社会性をもったヒトに。

言葉にはあらわせない、その存在。

好きだ・・・。


しかし、マリヴォーなる作家の作品面白い。

アリストパネスの次はこの人にしよ。