『歓びを歌にのせて』
スウェーデンの映画です。
スウェーデンでは160万人を超える観客動員数を記録。
国民の5人に1人が観たという大ヒット作。だそう。
主人公である世界的に有名な天才指揮者が、あまりにも忙しい仕事に疲れ果て身体を壊し、
故郷であるスウェーデンの片田舎の村に帰ってきた事から物語は始まる。
彼は村にある聖歌隊の指導を頼まれる。
一度は音楽を捨てた彼が、聖歌隊の村人達と触れ合ううちに夢であった
「音楽によって人の心を開かせる」という目的を思い出す、そして・・・というお話。
「ミカエル・ニュクビスト」演じる主人公ダニエルが、
ときたまデビット・ルヴォー氏にみえてきます。
髪型か、目の深さか、くたびれ加減か・・・。 (失礼)
疲れた生活から開放され、幼少すごした地で大自然の大雪の上に裸足で立ち、
大声で喜びの叫びをあげる場面、印象的でした。
そのほか、村人たちが、絵に描いたよう以上にいじらしい人間ぷり。
生生しくわがままで、まさに人間なのです。
その彼らを、元指揮者の彼は種々の楽器に見立て、聖歌隊たるべく指導してゆく。
メンバーの写真をピアノの上に並べて担当を考えるシーン。
オーケストラの音つくりように、人間の声質に合わせて極上のハーモニーを作り上げていく、というアプローチ。まるで芝居の演出のよう。
ガブリエラの力強い歌声、知的障害のコニーが、会場を声という名の魂で満タンにしてしまう場面は共に物語の核でした。
音楽がひとりひとりを強くし、自立へ導き、村の心をひとつに結び付けてゆく。
ラストの持って行き方には少々疑問が残ったけれど・・・ま、見てください。
音楽がつなぐドラマ。
監督:ケイ・ポラック監督 出演:ミカエル・ニュクビスト、フリーダ・ハルグレン、ヘレン・ヒョホルム。
公式HP http://