Swing Kids
風邪と仲良くすることはや一週間。
みずからの自然治癒力にかけてみよう、と意気込んだ先週。
その”しぜんちゆりょく”って何でしょう。
出歩いていてはそれは働かぬのか、と、自宅にこもる。
中学時代もっとも衝撃を受けた映画、『スウィング・キッズ』を改めて見る。
1930年代ドイツ、ナチの台頭する中、スウィング・ジャズを愛する3人の若者。
クリスチャン・ベールが素敵だとか、
ロバート・ショーン・レナードのスウィングが無骨だとか、
ケネス・ブラナーは相変わらずケネス・ブラナーだとか、
そういうことは、関係ない。
映画館でみて、ビデオで繰り返しみて、またみて、思うことは、
時代というもの、そして、友情、そして生。
時代、権威にどう己は答えるのか。
自分の力ではどうにもならない運命の中で、どう叫び、生きるのか。
ダンスと叫び。ナチと叫び。叫びとダンス。
ラスト、ジャズクラブのフロアで一人身体でスウィングを奏ではじめる男の姿。
ナチ占領下では禁ぜられる行為であると知りながら、彼は踊り始める。
それは、信頼する人間の多くがナチに洗脳されていく中での彼の反ナチ主義の主張。
人間の尊厳を主張せずにはいられない、という彼の行動
そして、スウィングせずにはいられない、という彼の衝動
死へのリズム、はじまりのステップ。
ダンス映画ではないです。
歴史的ドラマです。
あしからず。
『スウィング・キッズ』(1993) 監督:トマス・カーター