現在と未来の狭間 -2ページ目

現在と未来の狭間

文芸と自転車、それに映画や家族のこと、ときどき人工透析のことを書きます。

一昨日は鹿嶋へ。今回は父に会うだけなので日帰りで。

お土産を持って行った。大人の塗り絵である。施設の職員の話だと塗り絵をする集中力がすごいのだという。前回の訪問でも見せてもらったが施設のあちこちに父の塗り絵が張り出されていた。

Amazonで花の塗り絵と動物のもの、それに24色の色鉛筆を購入しておいた。何を買えば良いか悩んだが結果的には問題は無かったようだ。

父との面会で大人の塗り絵と色鉛筆を見せると、父ははっきりとした声で「おおっ」と。

「これだ、これだ。気が効くじゃないか」

反応がはっきりとしていてこちらが驚いた。父は自分の作品をクリアファイルに入れて持ってきてくれた。

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特長としては色の濃淡をはっきりと出そうとしている。葉や茎の部分は緑だけではなく青の線を入れていたり光が当たるところは白抜きしている。雑な線に見えるかもしれないが91歳が描くのである。

職員さんに聞くと、リハビリそっちのけで起きている時はほとんど塗り絵に取り組んでいるという。出来上がったものは他の入所者にあげることもあるそう。実は施設から大人の塗り絵を一冊進呈したのだが、父は2日で全部塗ってしまったとのこと。

私が知る記憶ではおよそ父が絵を描くというのを見たことがない。仕事を勇退し鹿嶋に移ってから描いていたのかというと色鉛筆のようなものは無かったはずだ。

そういやあ子供の頃に父から自分が小学生だった頃に、近所に画家がいて絵の描き方を教わっていたみたいな話を聞いたような。だとすると小学生以来ということなんだよなあ。

90歳になって自分の世界を見つけるというのは素晴らしいことだよなあ。母が亡くなって1人になり、見知らぬ施設で誰とも喋らないと聞いていたが、塗り絵がきっかけで他の人とも交流ができるようになっている。やはり趣味を持つことは自分を支えるんだ。

鹿嶋行きは毎回しんどくて疲れるのだけれど、今回は安堵の行き来だった。次回は何を持って行こうか?

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