旅館や定食屋の朝飯に
現れる味付け海苔。
あれはどうにも悩ましい
もので、まず大きさが困る。
都こんぶの箱をちょっぴり
縦に延ばしたサイズ、十二切
というんだそうですが、幅は
狭くご飯が巻きづらい。
そっと箸で両端を抑えると
真ん中でぱきっと割れる。
ひとたび封を切るとたちまち
湿気を帯びてへなへなになる
し、触ればべとつく。
何より薄いビニール包装が
憎たらしい。
海苔を取り出した後の包みは
食卓の景観を損ね、放置すれば
風に吹かれて飛んでいく。
一包五枚という数字はどこ
から弾き出したのだろう。
五十枚入れろとは言わない
がせめて十枚は欲しい。
しかしおまけ扱いだから声高
に抗議することもできぬ。
封を切るのは面倒で置き去り
にするのも忍びなく、そうする
と次第に味付け海苔が貯まって
いく。
弁当屋の親子丼に付いて
くる刻み海苔も貯まる。
それでも海苔は海苔だから
供養のためにスパゲティを
茹でる。
熱い麺にマヨネーズを回し
かけ、味海苔刻み海苔を
大量に載っけて醤油と一味
を振って食べます。
頼りない海苔たちが息を
吹き返し、簡素な見た目に
相違してたいへん結構なもの
です。お試しください。
