怪獣熱がおちついて心霊関連
に惹かれていったのは小学四年
の頃。
当時は昼のワイドショー、
夜の特別番組で幽霊ものを
ばんばん流しており、子供
たちを怖がらせていた。
本物幽霊の撮影に成功なんて
触れ込みで二時間ひっぱり
最後で五秒くらい和室に白い
服着たおじさんがちらっと
映っておしまい。
今なら失笑ものだけど当時
は心底震え上がった。
心霊写真集。
私の親は本に関して寛容で
わりと何でも買ってくれた
がこれはダメで祖母にねだ
りました。
本屋に行くとコーナーが
できており新書サイズの
ものが多かった。
製本が雑で読みかえすうち
ページがとれたりする。
中身といえば近年のおばけ
くっきりモロ出しの写真は
なく、白黒の森の中、シミ
みたいなのを丸で囲み
「戦国武者の霊」とか書く。
何でもない写真も怨、恨、
死なんて漢字が散りばめら
れた文章がつくと俄然おっ
かなく、だからいつ本を開く
かが重要です。
寝しなに読めば眠れなくなる。
朝は大丈夫かといえば一日中
こわいからもっとだめ。
放課後友達がいるとこで
そっとページをめくると
なんとかいける。
問題は家に持ち帰らなくて
はならないこと。
夜、ランドセルの中にあの
本があるというのがたまらない。
本棚の奥に収めこれでよし
と思うがやつらは空気のよう
なものだからするりと本から
出てくるのではないか。
一番怖いページをホッチキス
でがっちり鋲打ち、つまむ
ようにして玄関まで持って
いきようやく眠りにつきます。
