夏になるとシーズンオフの
スキー場で学習塾の合宿が
催される。
小学校の六年間、毎年二週間
親元を離れて共同生活をする
のです。
二段ベットや朝っぱらから
の勉強はうんざりだけど、
同じ年頃のおなごを見ること
先生方と遊んでもらうこと、
それと麦茶が楽しみだった。
ゲレンデで体を動かした後
食堂の給水機でキンキンの
麦茶を飲む。
一杯目は喉が渇ききって
いるから味は分からない。
ひび割れた食道にぎゅーと
冷たいとこを流し込むと
頭がくらくらする。
頭をクーラーの送風口に押し
あて埃っぽく冷たい空気を吸い
駆けつけ三杯でようやく麦の香
を楽しむ余裕ができ、五杯目で
腹がパンパンになるが表で日差し
を浴びるとまた喉が渇く。
我が半生で一番麦茶を
飲んだ時期です。
三度の食事がどんなだったか
ほとんど記憶にないけど朝
イチゴのジャムが出たことを
思い出した。
さっき食べたファミレスの
朝飯、トーストに塗った
ジャムの香りで、そういえば
あの夏も塗っていたと思う。
