朝のファミレス。
二席おいて私の右隣には
男女ふたり。
4メートルは離れているはず
なのに野郎の口調が臭う。
恩着せがましくて愚痴っぽく
景気が悪いことこの上なし。
色で言えばグレーがかった
ベージュの脳色、生き物なら
まだらに毛の生えたハダカ
ネズミに例えられよう。
聞きたくない。でも耳に
容赦なく流れ込んでくる。
漫画家、根本敬の話で電車に
乗った折、車内に香ばしい
揚げ物の匂いがしたそうで、
あたりを見回すと浮浪者の
かたが座っている。
出元が分かった瞬間、芳香
は激臭に変じたそうですが
声だけで具合を悪くさせる
隣のやつはかなりの強者かも
しれない。
おまけに偉そうなんです。
人の顔を見ず横座りのまま
女が年下ってことで単に早く
生まれただけなのに鬱々と
説教じみた事を言う。
お前のためを思い、お前の
ことを全て知るおれが忠告
するのだぞ。
その口調からじわりと性欲
が滲み、体中の毛穴が肛門
になればいいと思った。
楽しいことを考えよう。
