何かにつけ「いや」って
言う人います。
例えば
だんだん暖かくなって
きたね。
「いや、朝晩はまだ寒いし」
…。
春になるとビールがおいしく
なるから嬉しいな。
「いや、年中ビールうまいし」
……。
ビールには揚げ物が合うね。
僕は串カツが一番好き。
「いや、俺は串カツがこの
世で一番好きだし、それは
譲れないし」
…………。
そういえば髪型変えた?
よく似合ってるよ。
「いや、俺も気に入ってる
んだよね」
何が何だか分からない。
ここまで徹底すれば逆に
面白いけど、結構みなさん使ってます。
「いや」を。
私含めて。
あれは一体どういう心根
から出るのか。
優位を示す為かな。
「貴様の言う事はつまらな
い上、間違いだらけだが、
器の大きな俺様は貴重な
時間を割いて会話を続けて
やっている、いやだけど」
の「いや」か。
一旦打ち消して話をするの
は、キャッチボールでいうと
捕った球をあさっての方に
放擲し、改めてマイボールを
投げるようなものです。
主導権はこちらにある事を
示したいのかも。
試合するなら俺の球を使え
って言いたいのか。
短いせいか、気が付くと
口にしていて悪い癖だと
思うのに止められない。
「いや」は否定だけに留ま
らず文脈により様々な意味
を持ちます。
例えば
昨日はお疲れさま。
片付け大変だったでしょ?
「いや、ほんともう、それ
ほどでもなかったですけど
ちょっとキツかったっす」
一応否定してるのは相手が
目上だからだけど、結果
肯定している。
こういう場合もあります。
なんか最近忙しいね。
儲かってんじゃないの?
「いやいや、そっちこそ
どうなのよ?
聞いたよ、車替えたって」
「いや」で詮索を受け流し
攻守を逆転させてます。
もう一つ。
体もう大丈夫?
すごかったみたいだね、
車全損でしょ?
「いや!よく聞いてくれ
ました
ほんっともう、びっくり
したですよ!」
感嘆符としての「いや」
です。
稲川淳二。
怪談話でみなさんご存知
かと思います。
かつては猛獣や熱湯、高所
に体当たりで突っ込むタレント
でした。
かといって芸人ではない。
元々は工業デザイナーで腰は
低いが」喧嘩は滅法強いとの噂。
この人の「いや」使いは
独特で
「いやいやいやいやいや」
と言いながら登場する。
五連発です。
否定ではなく、受け流す訳
でも感じ入っている訳でも
ない「いや」
「何だか分からない人が
出てきちゃいましたけど、
精一杯お座敷勤めさせて
いただきます」って感じ。
実に味わい深い「いや」でした。
[ その他 ] 08/03/13 (木)