眠れない夜はネットで
怖い話を読む。

あれこれ読む内、怪談には
型がいくつかある事が分かり

三行で止めたり。


短くて忘れがたい話。



子供の頃、家に帰るとだれもいない。

茶の間のテレビが付けっ放しで

女が映っている。


顔のクローズアップ。

白黒放送かと思えば

口紅だけが鮮やかな赤。

部屋の中を身じろぎせず
凝視している。


その子がもっとよく見ようと
テレビの正面に立った。


目が合う。

と、女は驚き、しゃがむように
して画面下に姿を消した。


テレビの電源は入って
いなかった。




もっと短い話。

部屋に五秒間大きなディーゼル
エンジンが現れた。

轟音、オイルの匂いと共に。




地味にイヤな話。

もんじゃ焼きを作ろうと
支度をする。

ホットプレートのランプが
点いていて、傍らの友が用意
してくれたと思い礼を言う。

「なにが?」と友達。


生地をプレートに流せばジュウと
音がして、差し込み口を見れば
コードが抜けていた。





これは色川武大の本で知った。


中学の同級生。

戦死した兄が毎晩家に
帰ってくる。


玄関の戸を開け、階段を
駈け上り、まっしぐらに
自分の部屋へ向かう。


がらがら戸を開け、だだだと
駈け上り、襖をばーんと開ける。


これが毎日続く。

隣の部屋にいる弟は玄関の
戸が開くたび、駈け上る兄を
思い震えた。



幽霊って静かなもんだと思って
いたから、この話は衝撃でした。


[ 妄想 ] 07/12/18 (火