冨田麗香さんが毎月1回開いてくれるカバーライヴ「夜のメロディー」。
46回目の8月31日。アンコールを受けたラストは「蒼氓」(そうぼう)でした。
「遠く翳る空から 黄昏が舞い降りる
ちっぽけな街に生まれ 人混みの中を生きる」
山下達郎さんの1988年に発表されたアルバム「僕の中の少年」
に収録された歌です
山下達郎さんは1980年代前半、よく聴いていました。
中でもアルバム「FOR YOU」は発売早々に購入し、毎日のように聴いていました。
ですが、「蒼氓」は知りませんでした。
広く深く雄大な「時の流れ」を生き抜く無名の人々をたたえる
歌詞を聴きながら、ひとつの小説が頭に浮かびました。
1935年(昭和10年)第1回芥川賞の受賞作品です。
「蒼氓(そうぼう」(作・石川達三)
神戸港からブラジルに向かう移民たちの姿を描いた
社会派小説です。
明治から昭和初期にかけて、日本から多くの農民らがブラジルに渡りました。
中には甘い言葉に騙されて、ブラジルについたら農業の全くできない荒地だったり。
過酷な重労働、マラリアなどの感染症、奴隷さながらの扱い。
言葉に尽くせない困難の中、苦難を乗り越えて生き抜いた方。
遠い異国の地で倒れた方。
その数は19万人に上るそうです。
「凍りついた夜には ささやかな愛の歌を
吹きすさんだ風に怯え くじけそうな心へと
泣かないで この道は 未来へと続いている」
蒼氓=民、人民、無名の人々
ラスト。麗香さんの「一緒に」の声を受け
「ラララ ラララ らーラララー」と合唱しました。
素晴らしい夜でした。




