第2回ではPERについて学びました。
PERは低いほうが割安ということを最後に確認しました。
今回学ぶPBRは言葉がよく似ていてどっちがどっちだと思っている人も
多いのではないでしょうか。PBRについてもPERと同様に
PBR〇倍、〇社の株は割安など投資を行っている人は当たり前のように口にしています。
今回しっかり学びこれらの違いを理解しましょう。
PBR(Price Book-value Ratio)とは【株価純資産倍率】と言います。
数値の計算式は
で求めることができます。
ここまではネットで検索したらすぐに出てきます。
ここをさらに深堀してなぜ投資家はPBRを気にしているのか探っていきたいと思います。
まず見やすく式を文章に直しましょう。
「その会社の1株あたりの純資産に対して現在の株価が何倍なのか?」
これがPBRの根本的な意味です。
まず純資産とは?
ここにバランスシート(貸借対照表)というもの示しました。
これはA社が持っている資産・負債に関わる数値をまとめた表を指します。
純資産は総資産から負債を引いた額になり、【資産=負債+純資産】の関係になっていることがわかると思います。
バランスシートの具体例をイメージを簡単にするために前回のPERの純利益の時と同じように自分=会社に置き換えてみましょう。
例)私は現在100万の貯金があり、学校に通うために奨学金を100万借りました。
純資産:貯金・貯蓄額として100万円
負債 :奨学金として借りた100万円
資産 :貯金額と奨学金の合計200万円
そこで毎月2万円の奨学金の返済を行います。奨学金返済のためにアルバイトを行っており、毎月5万の収入があります。半年後(6か月後)のバランスシートは次のようになります。
このようにバランスシートにおいては上の図のように【資産=負債+純資産】の関係が成り立っていることが確認できます。
そして、【第1回】株式会社とは の復習にもなりますが、株式会社は法律上株主のものなので、
- 会社が出した純利益
- 会社の持っている資産
と言ったものはすべて株主のものです。
そのため、ある日突然会社が解散になった場合、純資産が株数に応じて分配され返還されることになります。
1株あたりの純資産とは?
例えばA社という会社があり、発行済みの株式が1,000株あったとします。
Aさんは500株、Bさんは150株、Cさんは300株、Dさんは50株持っていたとします。
ある日会社が突然解散することになったとき、会社が持っている資産から銀行への借金返済や諸々の諸経費を払って残った純資産をこの4人で分配することになります。
この場合だと4人なのでわかりやすいですね。
しかし、実際には多くの発行株式と多くの投資家がいます。
例えば、私は
【証券コード:9831】ヤマダ電機の株を100株保有しています。
20.03時点での発行株式数と株主・役員数は以下の通りです。
発行株式数 :966,489,000株
株主・役員数:261,850名
ここまで行くと電卓をたたく気すら失せますね。
ここで投資家・株主として知りたい情報は知りたいのは
「その株を1株持っていたらいくら純資産がもらえるのか?」
ということになります。
そこで出てくるのが1株あたりの純資産が登場します。
覚えてますか。最初の式を
ちなみに1株あたりの純資産はBPS(Book value Per Share)という名前が付いています。
ここまで来るともう一息な感じがしますね。小まとめ
PBRとは
「その会社の1株あたりの純資産に対して現在の株価が何倍なのか?」
について、投資家・株主は何を見ているのか。
「(会社が解散したとき)その株を1株持っていたらいくら純資産がもらえるのか?」
つまりPBRでは
投資家・株主はこの会社の株式を購入して、もし解散するようなことになったときは、どれだけ投資家・株主投資金を返却できるかを見ていると言えると考えます。
実践に行く前にPBRとPER(第2回)の注意です。
PERでは当期の純利益というように【予想・予測】が含まれている
と記載しましたが、
PBRについては、決算時に発表される純資産や発行済株式数といった実測値
があり虚偽報告がない限り大きく変動することのない値であると言えます。
ではここからはより実践的に「ではPBRがどれくらいなら良いのか(割安なのか)?」
について考えたいと思います。
次の図のように、500円という同じ株価の会社がA社・B社の2つあり、それぞれの1株あたりの純利益(EPS)がA社250円とB社1000円であったとします。
あなたは予算内で株式を購入するため、A社・B社どちらを購入すれば良いか(割安・お得か)?
A社は、500円を払えば(会社が解散した際に)純資産のうち250円分が帰ってくる。
B社は、500円を払えば(会社が解散した際に)純資産のうち1000円分が帰ってくる。
どちらがお得・割安かというとB社ですね。
これが、PBRの考え方です。実際計算式に当てはめると
A社はPBR2倍(500/250)
B社はPBR0.5倍(500/1000)
となります。結論としては【PBRが低いと割安】ということがわかりました。
本日は以上となります。
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