子どもの頃の残酷ショー③ | 土曜遊ぶ・日曜焦る

子どもの頃の残酷ショー③

 モシャモシャモシャ・・・・。虫カゴの中ではカマキリが美味しそうに食事をしていた。いや、あえて食事の音を表現をするのならば、ムシムシムシだろうか?

 以外に早く執筆活動のナオシです。それでは、気持ち悪いと評判の記事第三弾の始まりはじまり。

 (しつこいようですが、①・②話から読んでいただければ悪行の数々が繋がります。↓↓)

 


 アツと僕は顔を見合わせた。

 何故ならば、オープニングセレモニーはバッタで話がまとまっていたからだ。

 「後は若いものに任せて・・・。」 なんて、お見合いに付き添う仲人のようにカゴの中に虫達を残し、おしっこに行ってしまったばかりに大切な僕らの実験台が食料に代わってしまったのだ。

 仕方なく、もう一度バッタを捕まえることにする。

 先ほどはあんなに簡単に捕まえたバッタだが、いざ欲しいとなるといないものだ。

 逃した獲物は大きかった。とは良く言ったもので、あれほどの大きさ・色を持ち合わすバッタはそうそういない。しかも仮面ライダーにクリソツ(そっくり)だった。

 小さいバッタは何匹でも見つかるが、これに爆竹をくくりつけるのは簡単ではない。

 僕は根気良く探していたが、振り返りアツを見ると、アツはイライラを丸出しで棒を振り回し、草の根掻き分けバッタを探していた。

 これが後のイライラ棒の始まりである。

 またもや話しがそれてしまいましたが、バッタはとうとう見つからなかった。

 僕は妥協したくなかった。バッタで決まり!なんて二人で決めたんだからバッタなのだ。融通が利かないんだ。

 それに対して、アツはバッタが見つからないことで怒りの矛先をすでにカマキリに向けていた。

 「なおちゃん。俺、やっぱりカマキリ許せねえ。」

 なんとも自己中心的。

 カマキリは行き成り訳も解らずカゴに入れられ、気がつけば目の前には餌が飛び跳ねているではないか。

 喰わない手はない。据え膳喰わぬは男の恥ではないか。

 

 メスかも知れないのだが。

 餌の側にカブトムシなんて戦車みたいなものが(カマキリの視点)いてるが、それさえクリアすればおまんまゲット。

 カマキリがバッタを捕まえた際にはきっとこう言っただろう。

 
 「1ゲト」 うん・・・。何処かのコメント欄みたいだ。

 
 そんなカマキリをやはり許せないアツは、僕が止めようと言葉を発する前にすでに行動に移っていた。

 アツを覗き込んで、驚いた。アツの本気の怒り具合にも驚いたのだが、カマキリの具合に驚いた。


 
 両カマに爆竹をくくり付けられ、重みで前のめりに倒れ土下座のようなポーズになっているのだ。

 
 これは酷い。強制的な土下座を強いられ、両カマに爆薬。

 バッタを食べてしまったカマキリは絶体絶命。

 爆竹がドラゴンボールでゴクウが鍛える時に付けていたオモリにしか見えない。

 それまでバッタを探し続けこだわっていた僕だが、両カマ爆薬のカマキリに興味が移ってしまった。

 カマキリを救うものはもういない。

 ついに2話に渡って点火されることがなかった爆竹に火がともされるのだ。

 爆発した際のカマ部が取れて飛んでしまうのか、弾けて消えてしまうのかは誰にも解らない。

 この後、点火・爆破後に答えは出るのだ。そしてライターを持ってきていなかった。なんてことも言わない。

 夏男、アツはそんなミスをしない。

 ライターをポケットから取り出した。

 つ、ついに点火だ・・・。

 やはりドキドキする・・・・・・。

 アツは導火線にライターの火を近づけた。

 つづく。



 やっぱり・・・と思ったと思う。僕も思いました。これぞ、お約束。
 ↓ついに、点火!!その前に貴方のクリックで僕の心にも火をつけて!



  子どもの頃の残酷ショー④へ