ルアンパバンにも飽きて来たし、人気観光地だから観光客ずれしてんなー、と感じて、まったく予定していなかった更なる田舎への移動を敢行することにした。

というのも、エコツアーのラオス人ガイド、リーさんが、次ラオス来た時はノーンキヤウに行くといいですよ、静かでいい所ですから、と教えてくれたのだが、次ラオス来る時なんてあるかどうかわかんないなー、と思った瞬間、残りの日数数えて行けなくないな、と判断し、ノーンキヤウ行きを決意した。

ドミトリーの宿の残り2泊分はすでに予約してお金も払ってしまっており、お金は戻って来ないよ、と言われたけど、ごねずにキャンセルした。

ノーンキヤウへ行くには北方面バスターミナルに行ってそこから公共バスなのだが、バスターミナルはけっこう遠いと聞いていた。
バスの時刻も分からないし、トゥクトゥクでどんだけかかるのかも分からないなー、と思いながら、ルアンパバンのメインストリートを歩いていると、ノーンキヤウ行きのバスを手配している会社を見つけた。

ガイドブックに載っている北方面バスターミナルからの料金40,000より35,000高い75,000LAK…。日本円にしたら差額は400円しないくらいかー、と考えると、まぁ、いっか、という気になる。

それに、公共バスは満員になったら出ちゃうとも聞いてるし、事前に申し込めるならその方が確実かもしれない、と思った。

しかし、実際には、早めに出て自力で行った方が良かったかもしれない。

宿にpick upしにきたトゥクトゥクは、北方面バスターミナルに私を下ろした。
バスターミナルの受付に予約証を見せると、チケットを渡しながら無言で乗るべきミニバンを指差した。

ミニバンというか、大きい乗用車くらいのサイズ。
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これになんと大人14人、子ども入れて16人詰め込まれ、舗装がまばらにしかされていない悪い道をひたすら走り続けるのだった。

しかも、体のでかい欧米人4人、うち1人デブちんですから、まぁ、ひどいすし詰め状態。
同乗している赤ん坊もギィヤァーと泣き出す始末…。

そんなひどい状態でも、人間ってのは慣れてしまうもので、時折ひどい揺れに飛び上がりながらも、居眠りしてしまう。
居眠りしている間は時間の感覚も分からんし、キツい環境なのも自覚なく過ぎていく。

しかし、更にひどい事に、今度は道路が工事中で行き止まりになってしまった。

えぇー!、日中に道路工事とか無理じゃない⁉︎

片道4時間なはずだが、車が動く気配なく、皆んな、車の外にでて待ちぼうける。

待ちぼうけること一時間弱ぐらいだろうか。
諦めて時計すら見なかったが多分そのくらい経って、漸く道が開通した。

日本と違って、夜中に道路工事とかはしないよねー。
夜は寝る時間だもんねー……。

ノーンキヤウ12時到着を予想していたけど、着いたのは13時。
ノーンキヤウのバスターミナルに着くと、トゥクトゥクが丁度来たので、多分、町に向かうんだろうな、と、とりあえず乗り込む。
3000LAKと言われた気がしたけど、5000LAKとられた。観光客価格だろうか。まぁ、100円もしないから別にいいけど。

ノーンキヤウの町のシンボル、ナムウー川にかかる橋が見えてくる。
ってことはあの辺が船着場だなー、と思いながら、ふと、ノーンキヤウに留まるか、その先のムアンゴーイまでいくか思案する。

とりあえず、橋を渡った先で降りる。
町をうろつきつつ船着場まで行ってみるかー、と渡った橋を戻って歩いて行くと、乗ってきたトゥクトゥクが、ムアンゴーイまで行くの?、と聞いてきた。

一瞬考えたが、ついノリで、はい、と言い、それなら乗りな、これから船着場まで行くから、と、またトゥクトゥクに乗り込んだ。

乗り込むと、トゥクトゥクに乗っている他の地元民が、ここにいる人皆んな、ムアンゴーイに行くのよ、と教えてくれる。ラオス語なので分かんないけど、多分、そう言っている。

私もムアンゴーイ、この人も、このおばあさんも、ムアンゴーイ、と。

ムアンゴーイ押しだなー。
こりゃ行くしかないなー。

で、決定したムアンゴーイ行き。
船の出発時刻を確認すると、14時とのこと。
まだあと一時間もある。
チケットの買って、ノーンキヤウの町をうろつく。
いい感じのレストランがあって入っていくと、ジャンレノ似の明らかフランス人の店主が丁寧すぎる英語を使って、やや緊張した面持ちで、にこやかに、対応してくれた。
なんでこんな緊張されてんだろー?英語通じないかなー、って心配してんのかなー、と思いながらも、メニューを見せてもらい、バナナシェイクを注文し、トイレを借りる。

ルアンパバンからノーンキヤウまでの道程が想像以上にキツかったから、まずは冷えたドリンクで生き返る。
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ナムウー川を眺めながら、いい所やんけー、と涼む。

また橋を渡って戻ってして、町の全貌を確認。
うん。本当に特に何もない、小さな町だ。
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町を歩いていると、子どもらが時折、私に興味を持つのか、ピタリと横を歩いていたりする。

サバイディー、と声をかけると、恥ずかしそうにはにかみながら笑顔で、サバイディー、と返してくれる。

可愛いぃなぁー。
子どもってなんて無垢なんだろー。

程なく14時になり船に乗り込む。
地元民の乗客が、ここに座りな、と席をたたいて勧めてくれる。

14時はとうに過ぎるも、船はなかなか出発しない。

日本以外の国で時間を気にしても仕方ないことは分かっているので、気長に待つことにする。

ナムウー川でも子どもらが船着場から様々な姿勢で川に飛び込み遊んでいる。
本当、楽しそう。

20分程経って漸く船が出る。
おばあさんや妊婦さんが更に乗り込んだとこをみると、乗る予定の人を待っていたのか、もうちょい乗船客が来るのを待っていたのかだろう。

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ムアンゴーイまでは船で一時間かかるらしい。
途中、一時間経たぬ間に船着場もないような所で泊まるが、それぞれの所に小さな集落があるらしい。
ルアンパバンから一緒だったおばあさんも何もないところで降り、ノーンキヤウで乗船した、水タンクと複数の買い物袋を持った妊婦さんも、何もないところで降りて行った。

すごいところだなー、と思う。
このボートに近い木でできた小さな船がこの地域の重要な交通手段なんだ。

ナムウー川の風に吹かれながら、船旅っていいなー、と、またうとうとする。

と、右手にやたら建物が並んでいるのが見えてくる。
宿泊施設群のようだ。

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ついに到着、ムアンゴーイ。
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なんもなーい。

船を降りるといきなり宿屋の勧誘を受けたので、話し半分に、聞きながら上っていくと、five thousandと言っている。いや、それ、fifty thousandの間違えだろ、と、思いながらも、おや、そうだとしても安いな、と気付く。
とりあえず、部屋を見せてもらってから考えることにする。
あれ、思いの外、リバービューのいい宿だし、ホットシャワーもでるみたい。
日本レベルの清潔感はないが、安いので勧誘されるままに、Rainbow Houseに決める。
地球の歩き方にも載っていて、その額は150,000キープだが、なんでこんな安いの?と聞くと、それはハイシーズンの料金だと言う。
確かに、私以外、客はおらず閑古鳥が鳴いている。

受付を済ますと、商売っ気の強いRainbow House兄さんは、明日、ドイツ人夫婦含めてトレッキングに行くんだけど行かないか、と更なる勧誘を開始する。

それには答えず、この辺の地図を見せてくれ、と言ったのに、兄さんは勘違いして、トレッキングコースの道の地図を描き始める。
一応、値段を聞くと、500,000キープという。
高っ。

キープそんなに持ってないから無理、というと、ドルでもいいという。ドル持ってないというと、中国元でもいいという。

…中国元なんて持ってる訳ないじゃん、Japaneseってさっき言ったばかりなのに…と、あぁ、この人達が中国出身なんだな、と気付く。

兄さんは漢民族というより満洲民族的な顔つきをしているが、父親は習近平のような、漢民族的な顔をしている。
併設されたレストランも中国料理のようだ。
だからこんなぐいぐいくるんだなー。
それでお客が遠退いたんじゃないのかなー。

シャワーを浴びて短いメインストリートを往復し、川沿いのナイスビューなレストランに入る。

ラオコーヒー with fresh milkというからカフェラテ的なものを予想して注文したら、ブラックコーヒーに練乳が一缶付いてきた。
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friedが何を表すのか、揚げ物なのか何なのか、よく分からないままに注文したら、チャーハンだった。
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炒めもの、ってことか。
日も暮れたが、時刻はまだ早いので暗がりのメインストリートをまた往復する。
道端で売ってるドーナツみたいなスイーツを2000キープで買って食べ歩きする。
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そう言えば、この町は電気きてないって聞いたけど、観光客用のレストランの灯りが煌煌としている。
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ふと、見上げると、しっかり電線が走っていた。
電気来てないってのは、もう昔の話なんだなー。
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