20代前半の若かりし頃に参加した、タイ北部での山岳民族の村訪問トレッキングツアーがすごく楽しくて、忘れられない思い出になっている。

なので、今回も似たようなツアーに参加しようと思っていた。

ルアンパバン到着初日、しばらくぶりの海外旅行で、英語で交渉するのを億劫がった私は、HISの看板を見つけ、看板につられるままにHIS事務所に向かった。

店先の看板に〝カムロッジツアーオススメ!〟とある。
店に入って値段を確認すると…$230…高い…。
一人だから余計に高い…。
対、日本人価格かもしれない…。

しかし、辺境の村でホットシャワー、清潔な寝所付き…。これはかなり贅沢なのでは?

悩みながらも決めてしまった。
日々、馬車馬のように働いている訳だし、それなりに収入はある方。

高給取りなくせにドミトリーに泊まってるんだし、いいんじゃない?ちょっとくらいの贅沢…、と内なる悪魔の声が囁いた。

すごく楽しかったタイのトレッキングツアーで、何が辛かったって、シャワー浴びれないのと、馬小屋みたいなところでホコリっぽい布団で寝なきゃいけなかったこと。

それが解消されるならno stressだな、と思った。


メコン川沿いの船乗り場に集合。
場所が不確かだったんだけど、フランス人らしいスタッフが私が客だと気付いた。
alone japanese girl
とでも言伝したんだろうか。

…girlって年でもないか。
womanって感じでもないけど。

他の客は、フランス人の中年夫婦1組だけだった。
リタイア後かもしれない。

そうだよねー、こんな高いツアー、若者は来ないよねー。

フランス人スタッフは主にフランス人夫婦のガイドをし、私の方はラオス人スタッフが英語でガイドしてくれた。

ラオス人ガイド、リーさんは気を遣っていろいろ話してかけてくれるので、口下手な上に英語がそれほどできる訳ではない私も、気を遣って拙い英語で英会話を試みる。

ラオスについては多少調べてきているので、知っているラオス豆知識を知らないテイで質問する。

ほとんどの人が仏教徒なの?托鉢には子ども達もいるけどその間、勉強はどうしてるの?…等など。

リーさんは懇切丁寧に説明してくだすった。
リーさん自身は仏教徒ではなくルアンパバンよりも田舎で生まれ育ち、ルアンパバンに引越してきたと。

…なんとなく芸人のすぎちゃんに似てる。
常に穏やかな笑顔を絶やさない、ガイドの鑑のような人だった。

メコン川の風邪に吹かれながら、旅っていいな、生き返るな、と感慨にふける。
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メコン川を東に向ってたから、なんとなく下ってるのかと思っていたけど、地図を見ると、メコン川はルアンパバンの所でちょうど蛇行していて、東側が上流になり、船は数時間メコン川を登り続けた。

途中、なんとも穏やかな風景が続く。
牛も鶏も人間も犬も猫も、自然に近い。
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川で遊ぶ子ども達を羨ましく思う。

船はカムビレッジに到着。
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川岸から歩いてすぐツアー客用のロッジがあり、ツアー客用に設けられた水田の向こうにはカム族の村がある。
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キーを渡されロッジに向かう。
ロッジは藁で葺かれた屋根の下に頑丈なテントを張ったものだった。
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ヤバい、超贅沢だ。

シャワーを浴びてから、昼ご飯。
1人だけど2人分くらいの量。
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完食してフランス人スタッフにビックリされる。

ca-va?と聞かれるので、サバ、と応えると、フランス語が喋れるのか?と驚かれる。

いやいや、全く分かりません。
分かるのは挨拶とmerciだけです。

食後はフランス人夫婦とともに、リーさんの指導の下、農業体験をする。
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そしてカム族の村を訪問。

村訪問はなんだか申し訳ないような気もしてくる。
だって、個人的な生活を覗き見するような気がして。
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ラオスに来て思ってのだけど、子ども達が本当に元気で、幸せそう。

子ども達だけでなく、鶏や牛や犬も幸せそう。
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夕食も豪勢なものだった。
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缶ラオビールを追加注文。20,000キープ。相場の2倍。
船でわざわざ町から運ばなきゃならないから、これだけの食材を集めるのも大変だと思う。

貧乏ツアーだと皆んなで地べたに座ってごはん食べるんだけど、贅沢ツアーなので、個々のテーブルが用意されており、料理はきちんと皿に盛られ、スプーン、フォーク、ナイフがちゃんとついてくる。

一人だからか、贅沢過ぎて、身に余る気がした。
私は灯りと食べ物に集まる虫達と共にごはん食べる。

日本にいる時のように気にしてたらやっていけない。
紛れて彼等を食べちゃってないとも限らないけど…。

私が求めていたものとは違ったなーと思いながらも、辺境の地で、ホットシャワーと清潔なベッドで眠れる贅沢を味わう。

夜はやる事もないので、虫達の鳴き声をBGMに、地球の歩き方の巻末に載っているラオスの歴史を読み耽る。