博多座で「東海道四谷怪談」観てきました。 


木曜・金曜と二回観て、なかなかに怖かった。 

お岩さんの面体が変わっていくのも、髪梳きもだけど、人間の心も…。


歌舞伎にハマる前にコクーン歌舞伎で「東海道四谷怪談」を観て、あれは北番だったのか南番だったのか…?

内容も記憶も曖昧。 

調べたら2006年でした。 

(この時は歌舞伎にハマらなかった。) 


 その後は「騒音歌舞伎 ボクの四谷怪談」。 

この時のは内容をわりとしっかり覚えていて、「ボクの四谷怪談」を観てたおかげで今回のあらすじも分かりました。 

松也さんの“お岩さん”を目当てで何回か観たからねー。 

これは2012年。もう12年経つのかー。 

この後「四谷怪談」は観ていない。 

この時お岩さんだった松也さん、今回は民谷伊右衛門。 

ずっと松也さんの伊右衛門を観たいと思っていたので嬉しかった。 

伊右衛門はいい男だった。(人間としてはクズだけど。) 


 でも、お梅ちゃんとの縁談も「女房がいるから…」と最初は断っているし、伊藤家から貰った“血の道の薬”が実は面体が変わる毒薬だったと知った時は動揺してるし、お岩さんが死んで「月は違うが今日は命日」と言って回向してるし。 

 なんやかんや言いながらも、伊右衛門はお岩さんのこと嫌いじゃなかったのね。 

(伊右衛門は毒薬と知っていながらお岩さんに飲ませたと思っていたけど違った。) 


しかし今後の自分のことを考えた時、お岩さんよりお梅ちゃんとの祝言と仕官を選んじゃうってところがクソです。 

さらにお岩さんから着物や蚊帳を巻き上げて、縋るお岩さんを蹴飛ばして去っていく伊右衛門はさらにサイテー男です。 

でもここ、とてもいいお芝居でした。 


髪梳きも鉄漿をつける場面も私からそんなに離れていない真正面で行われていて、照明も暗いし、ホント怖かった。 

昼の部を観てて感じたけど、夜の部は空調もな~んか生暖かい。(昼の部は冷房がよく効いている。) 


お岩さんが鏡を見ながら「これが私の顔かいな…」と言った時、実は私の頭の中ではボクの四谷怪談で松也さんが歌っていた「これが私の顔かいな」が流れ始めてしまい……ました😅 


元結を切った後のお岩さんの毛量、多いよね。 

まぁ、この後髪を梳くから…とは思うけど。髪を梳く場面で、右近くんに女形ではない男っぽさを感じた。 

イコール、お岩さんに力強さを感じた。(あんなにヘロヘロだったのに) 

これも伊右衛門に対する怨み? 


戸板返しも提灯抜けも観られて満足。 

最後のドカ雪は、実はもっと多いかと思ってました。

コクーン歌舞伎の「三人吉三」の半分くらい?あの時はもっと息苦しかったし、目の前真っ白でした。 

とはいえ、ホテルで服を脱ぐ度にヒラヒラと雪が舞い落ちたのでした。 


そういえば、金曜日にお岩さんが鉄漿をつけている辺りで、舞台の側面?が赤く光ったのだけど、あれは何?

大詰めで客席の後ろの方から女の人の話す声が聞こえたけれど、あれは演出?私の幻聴?

やっぱり客席にお岩さんがいたのかなぁ?

上手の後ろの方で、すっごく下品な咳・くしゃみをする人がいたけど、あれはいかがなものでしょう?加トちゃんよりヒドかった。



次は「かさね」の与右衛門が観たい❗

まぁ、こいつもクズ男だけど…。