桜とサ神と瀬織津姫 | 歴史雑学の研究ブログ

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このブログでは学校では絶対に習わない日本の習慣の歴史や、日本に点在する神社に関する表由緒、裏由緒そして古事記との関係をわかりやすく解説していきます。

先日のブログで桜の花が咲くというのは

山の神様であるサ神様が、神様の拠り所

である「クラ」に宿った姿であるということを

書きました。

 

桜とサ神様についてのブログ

 


そこで今日は、「サ神様はだれか」について

書いていきましょう。

 

全国にあるサ神信仰

まず、「サガミ様」という名前で、福島、山形、

新潟の猟師さんたちに、信じられています。

 

なた愛知、長野、静岡の山では「サチ」「シャチ」

という名前で、中国西部、四国では「サハイ」

等と名前を変えて、最初は「猟師の神」として

存在していましたが、農作の普及ともに、

田んぼの神として、信仰されるようになります。

 

その証拠に、田植えが行われる月を「さつき」

そして、田植えをする女性を「早乙女」という

のです。

 

そしてさらに中世になり、サ神様は土地神様

として、信仰されるようになり、「道祖神」

なっていきます。

 

神社や道端にある「塞の神」がまさにそれで。

「縁結び」「安産」の神様として信仰されるように

なりました。


 

古事記ではこのような神様を「久那土神」クナド

といいます。

 

山の神様の名前に見たサ神

私たちが一般に「山王さん」という神様といえば

大山咋神(おおやまくいのかみ)ですが、この

「咋」の字を音読みすると「おおやまさがみ」

となり、さらにこの神様の使いは「サル」です

ので、「サ神」様の痕跡を感じずには

いられません。

 



しかも「日枝神社」の神様は皇室とも、深い

関係があり、東京永田町のある「日枝神社」

皇居の裏鬼門の守護神となっています。

 


これは、まさに皇室にも「サ神」様が大切に

されている証拠でもあるのです。

瀬織津姫との関係

最近瀬織津姫(せおりつひめ)という神様の

名前を聞くようになりましたが、この神様が

祀られている神社の多くは、「川」「滝」など

水場が多いように感じます。

 


日吉大社の瀬織津姫を祀る場所


もちろん「祓戸」の神様の一柱ですから、罪

や穢れを川の流れにより浄化するという意味

もありますでしょう。

 

しかしながら、「滝」「川」というのは、山から

流れ出るものと考えた時、サ神様より降りた

姫=「さおりつひめ」が変化したものと考え

ることができるのはないでしょうか?

 

そして人々はこの神様を洪水から身を守る

守護神として川や水場に祀ったと考え

られます。

 

これは、あくまで推測の域を出ませんが

瀬織津姫神社の多くが、山沿い、川の

近くにあることから考えれば、あり得る

話のようにも思えます。