北アルプス 双六岳−槍ヶ岳縦走
2025年7月19〜21日
〈2・3日目〉
槍ヶ岳(3180m)
大喰岳(3101m)
近くのテントで、女性がものすごく咳き込んでいて、大丈夫なのかな、と少し心配になったが、いつのまにか治ったようで、私も眠ってしまった。
2日目
未明。
3時はもう、活動の時間。
このテント場の景色、ほんとに好き。
露で濡れていたテントも乾いていて一安心。
濡れていると重いからね。
撤収もスムーズにできて、4時15分頃、歩き出す。
昨日見たルートを登っていく。
さよなら、双六小屋。
今日は、槍ヶ岳に向かう人もたくさんいるだろう。
雲海からのご来光。
今日も天気は大丈夫。
でも、勝負は午前中。
ガスが湧く前に、槍ヶ岳に登りたい。
途中まで、いくつかの小さなピークを超えていく。
槍ヶ岳が見えてきた!
すごい!
あの稜線を歩いていくんだ。
あまりモコモコしてないけど、ウスユキソウの仲間かな?
寄せ植えしたように、いろんな花が咲いている。
双六からも見えた、赤い岩肌が荒々しい山。
今日は槍ヶ岳を何度、写真に収めるんだろう。
チングルマの穂と槍ヶ岳。
穂先だけ。
なんとなく、かわいい。
稜線の左に出たり、右にまわり込んだり、縫うように登山道が続く。
小さな槍と。
岩場が多くなり、緊張する。
ガーミンの心拍計はオフにしてあるけど、時々心拍が跳ね上がっているに違いない。
狭く、ザレた登山道を踏み誤らないように。
ザックが重くて、振られるのが怖い。
少し広くなっている、石のゴロゴロしているところで、急に向きを変えようとして、バランスを崩し、ザックに振られて尻もちをついてしまった。
休憩していた女性2人に、休憩を勧められて、まったくそうだ、と思う。
落ち着かなくちゃね。
ザックを下ろして、甘いパンでエネルギーを補給して、水を飲んで休憩。
もう、ヘルメットも被ろう。
体制を整えて再出発。
切れ落ちる細い登山道と、岩場が繰り返す。
そこまで危険箇所ではないんだろうし、体力的にはまだ、大丈夫だけれど、さっきの尻もちが、弱気にさせる。
簡単には登らせてくれないなぁ。
千丈乗越に到着。
距離的にはあと少しだけど、ここからが急登。
来た道を振り返ってみる。
がんばってこれたじゃないか、自分。
さて、最後の登り。
あの、空との境まで…というのを何回か繰り返して、
登山道は、急登ではあるけれど、危険を感じるようなところはない。
次こそ…
下ってきた若い男性が、「もう少しで(槍ヶ岳の)肩ですよ!」と励ましてくれる。
そして、ついに!
きた!
そこに山頂がある!
と、ひとしきり感動して、そそくさと山荘の受付へ。
ここのテント場は、先着順。
いっぱいになったら、反対側に下る殺生ヒュッテのテント場に回されてしまう。
18番、いただき!
よかったー
とりあえず、ザックを下ろして、濡れていたグランドシートだけ干して。
水と携帯と財布だけ持って、最後の穂先を登りに行く。
10時前なのに、すでに渋滞がはじまっている。
山頂へのルートは、上りと下りが分かれているが、いきなり下りルートに入ってしまい、戻る。
気を取り直して。
子槍もすぐそこに。
「あの上でアルペン踊り、無理だろう」と後ろの方の男性の声。
見たら言いたくなるセリフ。
八ヶ岳。
最後のはしご。
槍ヶ岳、登頂。
前の男性の予想通り、1時間ほどかかったが、今、この時に登ってほんとうによかった。
槍ヶ岳の肩にある槍ヶ岳山荘と、
上高地側に下った殺生ヒュッテ。
こちらのテント場からは、槍ヶ岳が見えるようだ。
記念撮影を済ませたら、登ってくる人のために、並んで下山開始。
下りも少し渋滞したが、さほど待たずに降りてこられた。
どの山も、山頂で記念撮影はできるけど、こんなに近くで山頂との記念撮影ができる山って、あんまりないんじゃないかなぁ。
ということで、一枚。
テント場に戻って、テントを張って、槍ヶ岳山荘のカレーを食べなくては!と、山荘へ。
なんか、胸がときめくようなものを持って出てくる人がいる。
私にもください!
じゃん!
槍ヶ岳ブラックキーマカレー
ベンチの隣の女性が、「すごくいい匂いしてきます〜」って。
憧れた西鎌尾根を歩いて、無事に槍にも登って、3000mの世界で、名峰に囲まれて食べるカレーのおいしいこと。
大喰岳、登頂。
そして、彼女の言った通りだった。
空は雲が多いけど、この写真、今回の山行で一番好きかもしれない。
山と、小屋と、テント場。
我が家も見える。
上の段の黄色いのだ。
満足して、花を見ながらゆっくり。
明日のルートの分岐も確認できた。
お気に入りのテントで、
食前酒に白ワインを飲みながら、夕焼けを待つだけ。
午後は、ガスに飲まれていた槍ヶ岳も夕陽に照らされて。
すばらしい一日が終わる。
3日目
未明。
富士山や、
常念岳のシルエット。
まだまだ山の朝を楽しみたいけど、出発。
谷に下りる前に、ご来光が間に合った。
谷へ降りていく。
もう、見えなくなる。
さよなら。
また、どこかの山から「あぁ、槍ヶ岳だ」と眺めることだろう。
影が槍。
さて、もう一息。
…なんだが、地獄の下りが待っていた。
もともと下りが下手な私には、重いザックは担ぎ上げるより、下りるのが大変なんだ、と思い知った。
槍平小屋までは、それでもよかった。
後々、ここでこのバームクーヘンを買って食べておいてよかった、と思う。
その後、一切写真なし。
一度、先を行く人たちに付いていったら、悪路に迷い込んでしまい、これは変だ、とみんなで引き返す。
多分5分くらいの道迷いだったが、気持ち的に消耗。
バランスが取れず、何度も尻もちをつきながら、やっと林道に辿り着いた。
さすがに林道では、尻もちはつかなかったが、ザックが重くて。
救世主だ、穂高平小屋。
もう少しだけど、休まずにはいられない。
重いザックを下ろして、あぁ、極楽。
かき氷でリフレッシュして、肩や腰の体操をして、残り3kmほどを乗り切った。
2日前に出発した、新穂高センター。
ここから、駐車場まで林の中の悪路を登るのはまっぴらなので、文明の利器、ロープーウェイに乗る。
6kg以上のザックは追加200円だけど、全然構わない。
と、ここで、また何度かお会いした女性と遭遇。
3日間の晴天と無事の下山を喜びあう。
行ってよかった。
もう一度、この写真。
この後、中央道の渋滞に巻き込まれながら、8時間かけて家にたどり着いたことも、書いておこう。
1日目
04:15 鍋平駐車場 発
04:50 新穂高センター
06:05 わさび平小屋
09:10 鏡池(鏡平山荘休憩)
10:25 弓折乗越
11:40 双六小屋
(受付、テント設営、昼食)
14:05 双六岳登山口
14:40 山頂
15:20 双六小屋 テント泊
2日目
04:15 双六小屋 発
08:05 千丈乗越
09:10 槍ヶ岳山荘
(受付、荷物整理)
09:50 穂先登山開始
10:50 山頂
11:25 槍ヶ岳山荘
(テント設営、昼食)
14:05 大喰岳登山開始
14:40 山頂
15:20 槍ヶ岳山荘 テント泊
3日目
04:30 槍ヶ岳山荘 発
07:20 鏡平小屋(休憩)
10:10 林道入り口
10:55 穂高平小屋(休憩)
12:20 ロープウェイ駅
13:00 鍋平駐車場 着
行動時間
1日目 11:45
2日目 11:05
3日目 8:30












































































