2023年7月9日、「オイディプス王」を観てきました
オイディプス王:三浦涼介
イオカステ:大空ゆうひ
クレオン:新木宏典(荒木宏文改め)
大好物のギリシャ悲劇に、大好きな大空ゆうひさんご出演。あと、今井朋彦さんも。
めっちゃ楽しみにしていました。
そして、めちゃくちゃ良かったです!
「オイディプス王」を観たことはあると思うのですが、ブログには記事がなく、ずいぶん前に観たのか、観たつもりなだけなのか…。
原作はもちろん、読んだことがあります。王らしい振舞いのオイディプス、オイディプスを敬愛するイオカステ、オイディプスの友にしてイオカステの弟クレオン。
神官たちが王に救いを求めることも、国民救済のため神託を聞きにクレオンを派遣したことも、預言者テイレシアスを呼び寄せたことも、どれも王として当然の行動。
ライオスの召使だった羊飼いが子どもを憐れんで助けたことも、子どもを受け取った使者がその秘密をオイディプスに告げなかったことも、どちらも多くの人が取るであろう行為。
どこにも悪意はない。
それなのに、それらが少しずつオイディプスを追い詰め、最後はイオカステが自殺、オイディプスは自ら目を潰すという結末に…。
そもそも、子どもを殺せとの命令を羊飼いが忠実に実行していれば。
せめて、貴方はコリントスの王の子ではありませんと、国を出る前に使者が告げてくれていれば。
でも、こんなひどい運命を用意した神々なので、人間が何をしたとて、何としてもこの結末になるよう導いたのでしょうが…
アフタートークが始まるまでの間に聞こえてきた、後ろの座席の人の話。
かなり早いタイミングで呪われた運命は明らかになっているのに、オイディプスが一向に気づかない。最後まで気づいていないのかと不思議に思う。…みたいな。
いやー、フツーに考えて、イオカステは神託を聞いて子どもを殺したと思っているし、オイディプスは実の子どもだと思っていたから神託を恐れて放浪に出たのだし、
確かになかなかなさそうな神託ではあるものの、それを同じものではないかと疑うことはないでしょう。
イオカステは使者から子どもをどこで誰からもらったか聞き、くるぶしの傷(しかも初見っぽかった)を見て、同じ神託だと確信して錯乱状態になったけれど、
オイディプスはコリントスの王の子だと信じていて、もらい子のことを知ってからは賤しい身分の出だと思って、羊飼いの話を聞いて初めて、話が繋がった訳で。
ところで、アフタートークで演出家の石丸さち子さんが、「コロスは男性だけなんだけれど、世界の行方を男性だけで見守らせたくなかった」みたいなことを仰っていました。
で、男女混成、俳優とダンサーが半々の構成になったそうです。
ちょっと前までジェンダー関連を読み漁っていたので、とても印象に残りました。